絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。


2003.8.5




ホームシックならずワンコシックは、らくだのムシャーケルのお陰でかなり改善されましたが、
やはりお役目ちょっと不十分。
あと数日で、はな、もも、あくとに会えると思うと、うれしくってつい
何をしていても思考が止まってニヤニヤしてしまいます。
ということで、今回の話題は「犬」。今回はヘビーな内容もちょっとだけ含みます。

私はもとより、相方さまもその昔ドーベルマンを飼っていたことがあり、
また、はな・もも・あくとのことも愛しくおもってくれるわんこ好きです。
しかし、以前に少し書いたように、ここAl-Ainではワンコをみることが非常にまれで、
私はまだ一度もお目にかかったことがありません。

犬がいわば「ペット」として飼われていることはとてもまれです。
それにはいくつかの理由が背景にありました。
今回はそのうち2つをちょっと紹介。
1つはイスラム教に関係するもの、そしてもう1つは、相方さまが8才くらいの頃にAl-Ainに起きた
ある出来事。

まず1つ目のイスラム教について。
イスラム教の教えは、とても噛み砕いた言い方をすると、何かに基いた「教訓」が多く含まれています。
たとえば豚肉を食べないことも、「牛は神様だから食べない」
というのとはちょっと違い、「豚はこれこれこういう理由で病気をもちやすく、それを食べると
感染症など体に害を起こすから食べないこと。」というように。
で、犬に関して言うと、「おしっこやウンチをとくに場所を決めてしないので、家で飼うのは
清潔ではなく好ましくない」と言われているそうです。そのため、犬を飼っていても
家の中にいれて一緒に寝る・・という発想にはならないそうで、その為犬を「ペット」として飼うという
感覚がイスラム教の教えの中には存在しません。しかし、かといって
「汚いから触るな」という存在ではありません。

先に書いたドーベルマンは、やはり家の中ではなく、らくだや鶏などを守ることを主たる目的に
飼っていたそうですが、相方さまにとてもなついていて、お母さんの目を盗んでは家にいれて遊んだり、
飼っていた愛鷹(?)と一緒に遊んだりしたそうです。
どこへ行くにも一緒だったとか。名前をソルタン(王様と言う意味)と言い、ソルタンの
話をするときの相方さまの目は本当に楽しそうで、エピソードも尽きず、
兄弟のように過ごしたんだなぁとよくわかります。

さて、次に2つ目に挙げた「出来事」ですが、
相方さまは8才の頃、犬を家の人に内緒でこっそり飼った(?)ことがあります。
家の近くに箱で小屋を作りかわいがること約7ヶ月、すっかりお友達になり
お互い意思の疎通もできるようになりました。相方さまの姿を見ては尻尾を振って寄ってきたそうです。

しかしある日、犬が噛み付くことで伝染する感染症(はっきりわからないのですが、
狂犬病ではないかと思っています)が流行。犬に噛みつかれ亡くなる人が続出。
そこで政府が取った対策は、犬の銃殺でした。
「近所で飼われていたすっごく仲良くしていた犬も、自分がこっそりかわいがっていた犬も、
とにかく外を自由に歩いている犬の多くは銃で殺されたんだよ。自分がこっそり飼っていた犬は
目の前でことが起こったからすごくショックだった。」

悲しい話に泣くのをがまんし、両鼻から鼻水がだらだら止まらなくなった私の顔に
ぎょぎょっとしながら、相方さまは話を続けます。

「ものすごく泣いたけど、でもあの時政府がとった対策は理解ができるんだよ。
その頃病院施設も整っていなくて、今みたいに予防注射もなかったし、
感染したら命にかかわるからね。少なくとも自分の知っている範囲では5人の子供が
犠牲になっているし、友達のお兄ちゃんも犬に噛まれたのが原因で14歳で亡くなってね。
あのころは他に手段がみつけられなかったんだよ。」

私が生まれる少し前まで、まだUAEはビルもない、砂漠一帯で遊牧民が
のどかに生活をしている国でした。日本やアメリカでしか生活したことのない
私には、いまひとつぴんとこないのですが、法律の制定も、病院や郵便(これらについてはまた後日)
その他公的施設など私にとっては当たり前の生活の基盤も、ここではほんとうについ最近
になって築かれているものなのです。(そのため法律もころころ変わる)
まぁ、なにせ大統領が1代目ですからね、若い国なのです。

そのため、相方さまから聞いたこの話は、私の生活経験の基準からはちょっと理解しがたい
気もしますが、よく聞けば、「なるほどね〜」と思う話でもありました。

現在は急激な近代化とともに、外国から文化も人もどんどん入ってきているため、
ワンコも少しずつ市民権を得つつあります。
ドバイでは毎年ドックショーも開かれるほど。

また、先日アブダビに住むお友達のKEIKOさんのところに遊びに行ったのですが
(そのご家族にはワンコがいます)、夕方にはお散歩しているワンコたちを見かけました。
動物病院は、少し前までその多くがらくだや牛など家畜専門でしたが、
今では犬や猫などを診る事ができる動物病院が存在するそうです。
(アラブのワンコ事情はぜひKEIKOさんのHPを訪ねてみてください。
ドックショーの様子も載っています。)

ーと日本では当たり前のようなこんなことを改めて書くくらい、
犬を「ペット」として飼うのは、とても最近の事なのでした。

いつか生活が落ちついた時には、ワンコと一緒に生活できるといいなぁと、
相方さまも私も夢見ています。



ということで、里帰り前最後の更新は終了でございます。
思いつきのしょぼいプレゼント企画にご応募してくださった皆さん、ありがとうございました。
思っていたよりも反響をいただき、相方さまと2人ちょっと感激。
で同時に、あまりにもプレゼントが情けなさ過ぎたね〜とちょっと恥ずかしくなりました。
この反省は、次回の里帰りに生かします。
*ご応募いただいた結果は、遅くとも明日(6日)までにはご連絡させていただきます。


2003.8.25




日本に里帰りし、嬉しいことにワンコたちの大大大歓迎をうけ、
すぐ台風に見舞われ、それが去ったと思ったら
連日の大雨。花火大会も、お祭りも流れる流れる・・。
「そういえば雨女だった」なんて軽はずみに書いてしまった自分にちょっと後悔。

そしてここ数日ようやく夏らしい日がやってきて、
嬉しいお友達との面会もかない、うはうはしていたら
暑さにエアコンを使いすぎて風邪を引いてしまい、頭がくらくらしています。
その為わんこたちとはいちゃいちゃした毎日を送っていますが、
ちっとも夏を満喫できずにすごしています。

UAEであんなに雨を喜んでいたので、日本に帰ってきてもそんな感覚なんじゃないかと
思っていましたが、やはりうん十年でしみついた感覚は日本の地を踏んだとたんに
すっかりもどり、雨を見て出てきた言葉は「今日はお天気<悪いね>〜」。

日本で「寒い寒い」と毛布をかぶっていた頃、UAEでお留守番の相方さまからお電話が。
「今日はこっちも涼しいよ。ちなみに46度ね。」

「涼しい」は冗談で言ったのかと思ったら、その前の日が50度いったので46度も
比較すれば涼しいとか。でも湿度がゆっくり下がりつつあるので、7月の蒸し暑さは少しずつ
解消されつつあるようです。私がUAEに戻る頃には50度までいくことはなくなるはずで、
「50度いったら車のボンネットで玉子焼きを作ってみよう」と楽しみにしていたのですが、
7月中も気温はそこまで上がらず、どうやら来年に持ち越しです。

気温のことに加え「もうちょっとUAEにいればよかった〜」と思ってしまった報告を受けました。
以前雷雨のことを書きましたが、なんと私が日本に着いた数日後、
「砂漠のきのこ」がまた出たそうです。それも今回はワンサカと。
わんこ達との幸せな時間、美味しくて種類豊富なご飯、言葉に困らないお気楽さ、
おいしいお豆腐、おいしいお蕎麦、はまっていた昼ドラの続編・・・
「いいわぁ」と思うけど、
そんな話を聞いてしまうと「は、はやくUAEに戻らねばっ」とも思ってしまう。
また、あの素朴な生活が恋しくなったりもします。

でもお正月には今度は相方さまと日本に戻ってくる予定もあって、
「たった3ヶ月少々のことなら、もったいないからこのまま日本にいようかなぁ」
「でもUAEはこれからがいい季節。楽しそうなこといっぱい待ってそうだしなぁ」
「でも日本にしばらくいたらお仕事もできそうだし、やはりお正月までこのままここに・・」
「いやいや、アラビア語の学校はどんどん続けないと忘れちゃいそうだし・・」
「いやでも、ちょっとまてよ・・」
ーという具合で、今後いつUAEに戻るのか実はまったく予定も気持ちも決まっていません。

その検討基準に「相方さま」の存在がぜんぜん入っていないのですが、7年も遠距離をしていると
5ヶ月間会えない事は日常茶飯事ごと。悟りの境地です。

2003.9.3



少し小さめの細い体に、真冬、命が授かり、春、夏と大事に育てられ、
妹と、妹のだんなさま、そしてその子 が、この秋ようやくご対面を果たしました。
ついにはなももも、おばちゃんです。
嬉しい記念日9月3日。
がんばったね。これからが本番の長い人生。今日はたっぷりやすんで、
また明日からゆっくり前に歩いていこうね。

3390gの小さな命。沢山の愛と思いをいっぱいうけた、ほやほやの尊い命。
家族になってくれてありがとう。これから末永くずっとどうぞよろしくね。

2003.10.24





とても久しぶりの更新です。
つぎから次へといろいろありまだ日本。ですがようやくUAEに戻ることができそうです。
はぁ〜。3ヶ月べったりだったんです(もちろんワンコとのお話)、朝から晩まで。
私がベッドに入れば、3匹のうち誰かしらがもそもそと一緒にベッドに上がり、
夜中は入れ替わりに誰かがそばで寝息をたて、
朝になれば「ねぇ〜おきてよ〜」と誰かしらが起こしにきて、朝のお散歩へ出かけます。
一日一緒にごろごろして、また夕方散歩。こんな毎日の3ヶ月。
(話のポイントは「ごろごろしっぱなしの毎日」ではなく、 「わんこと一緒の毎日」です。念のため。)
もう「あ・うん」の呼吸でお互いの意思が通じるわけです。

実はわんこのうち1匹が「膵外分泌不全」という病気であることがわかりました。
その診察だのなんだのに追われていたのですが、妹のだんなさまに
「優先順位を考えたほうがいいよ。犬と、相方さまと。」と言われ
迷わず即答、

「犬」。

なにせ、片道4時間半かかる病院へ通院なんてしちゃっていたのですが、
「往復したら関空からドバイまで飛べちゃうね〜」と言われ、なるほど。

は〜。だめ?UAEにもどらないと、だめ〜?
「ももは、どう?こっちのことは大丈夫だから、板ばさみなんて思わないで、
そっちがだいじょうぶになったら戻ってくればいいからね」と言ってくれていた相方さま。
でも「どうせ12月にまた日本に来るんだし。このままこっちに残っていようかな」と言ってみたら
「たとえ1週間でも戻ってきて」と言われてしまい、やはり近日中には飛ぶことになりそうです。
それにしても3ヶ月ぶりに会う相方さま。「あ・うん」で意思が通じるでしょうか。

荷物を詰めはじめないとな。。やる気ぜんぜんおきませーん。
まもなくUAEは「ラマダン」。ラマダンについてはまた後日。

2003.10.28





ももとお散歩していて、おおきくて綺麗な月をみつけました。
「相方さまと見たいな」
と、ちょっと思った。
金曜日の飛行機でもどります。まっててね。