絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。


2003.7.15


前回に引き続き雨のお話。また長め、重ためです。

キーワードを提示しておきながら、なんだか前置きが長くなりましたが、
今日の話題は「砂漠の大河」です。

街に戻ると、普段
「この橋はいつ活躍するのだろう。。」と思っていた場所にさしかかりました。

これから頻繁に出てくる言葉があります。
「ワディ」。
アラビア語でも英語でもワディ(wady又はwadi)と呼びますが、
手持ちの辞書には「枯れ川」と訳されていました。
雨の時以外は枯れている川のことを言います。

雨が降ったときの水の流れによってできた、自然のものもありますが、
町の中には人工のワディが存在します。
しかもかなり大きい。

(この時ちょっと水が流れはじめていた町中の人工ワディを橋から。)

1年に降る雨の回数が片手で数えられるのではと、以前書きました。
初めて人工ワディを目にした時、数えるほどの回数しか出現しない川だけのために、
こんな大きなものを作ってしまうUAEの将来にちょっと不安を感じたことを覚えています。

しかし、
人工ワディの設計、建設に関わったみなさん、愚か者をお許しください。
この人工ワディがなぜ必要なのか、このあと大変納得しました。

車で10分も走らないところで、相方さまがメインの道(ハイウェイ)からそれ、
砂漠のほうへ入っていきました。
その道なき道に入って1分もしなかったでしょうか、なんと目の前に大河が出現したのです。


ほんとうは写真で見るよりもっと迫力のアルおおきい川なのですが、それが伝えきれないのが残念です。
比較対照するものがあるとちょっとわかりやすいでしょうか。

ここ、普段は 前回写真に載せたような砂地なのですが、
たった一晩の雨で、こんなに大きな川が出来上がっていました。
これを見て、町の中にある人工ワディの重要さが理解できたのです。

砂地に雨が降ると、土と違って水をすぐには吸収せず、
雨水は一気に一箇所に流れ込み、いきなり大河になるわけです。

この川が町を直撃したらたいへんなことになります。
そこで、たとえ「あってよかった〜」と感謝され、努力が報われる回数が少なかろうとも、
またそんなことも知らない愚か者(私)に鼻で笑われようとも、
街を、人を、財産を守るため、
設計者達は知恵を出し合い、現場の皆さんは極暑の中手に手をとって
町の中に、一見無駄に見えるおおきな人工ワディを造ったわけです。
(いやそんな正義感にみちみちあふれていたかどうかはわかりませんが。)

この大きなワディに感動したまま、川に沿って下流へと足を運んでみました。
そこでみた風景です。





ちょっとした水溜りとはわけが違うのが、伝わりますでしょうか。

4枚目の写真のように、かわいらしい小川のようなところがいくつか存在するのですが、
ここでのんきに写真を撮っていた私に、相方さまが
「はやくはやく、脱出できなくなっちゃうよ!」
と血相をかえて声をかけてきました。

はっと気がつくと、来た道はどんどん川になりつつあるのです。
あわてて車に乗り込み移動しました。
気をつけないと、あっという間に道を塞ぐほどの勢いがあり、
昨年は、急に増した水に、川で夢中になって遊んでいた弟の友人が
車ごと流され亡くなるという痛ましい事故があったそうです。
砂漠で水の事故。。ちょっと想像し難いのですが、自然の威力のすさまじさをを感じた瞬間でした。

しばらくしてまた違う場所へ移動し、お隣の国「オマーン」との国境まで様子を見に行くことにしました。
そこで相方さま、「おぉUAEにもナイアガラの滝が!!ミニだけど!」

すばらしい想像力に拍手です。

この「エセナイアガラノタキ・ミニ」に辿り着くまでに、実はけっこう苦労がありまして、
あちこちにできた川を上手に渡っていかないと、濡れた砂地にタイヤが取られて
動けなくなってしまいます。
そこはさすが遊牧民ベドウィン育ち(ベドウィンについてはまた後日)の相方さま。
私は安心して助手席に座ったまま、行きたいところを言いたい放題「指示」できました。

でもそんなベドウィン相方さまも、時に川を見ただけでは判断できず、自分で確認することも。

(隣はすっかりはまってしまい動けなくなった車)

そんなこんなでAl-Ainのワディを楽しんだのですが、ここまで来たからと、
そのまま車で隣の国オマーン領へ入りました。

面白いことに、UAEとオマーンの間には
パスポートもなにもなく、自由に出入りできる場所があります。そこには人々が生活し、買い物もでき、
またホテルもいくつか存在します。

国境なのですが、日本で言うところの県境のよう。
「富士山を半分所要の静岡県へようこそ!」
(いや、ほんとうはもっとステキなキャッチフレーズがあるはずですが)と同じような
「オマーンへようこそ」という看板が、何気なく立っている所がごく一部あるくらい。

では、出国も入国もパスポートにハンコが押されないのかというと、
もう少し奥へ入っていくと、入管管理局のような建物が建ち、警察官も配備された
「これこそ国境」なるものが存在しています。(隣国オマーンについてはまた後日)。

そのオマーン領で見た雨の日の砂漠は、Al-Ainとは全く異なった顔をしていました。

そのお話はまた次回。
写真は相変わらず重いでしょうか・・。

2003.7.16


おなじみマサーフィの登場



もしやマサーフィの会社、私から「当たり」アイデアを盗用!?
ーとあほなことを考えましたが、この企画、実はこのHPができる
ずっと前の4月15日から始まっていたようです。

キャップだけがお店で開けられたりしないように、ちゃんと
カバーがかかっているところを見ると、いやいやほんとに当たりが入っているのねと、
相方さまの高ぶる気持ちもわからなくもなく、毎度新しいボトルを開けるたび、
キャップの裏を確認したか、相手の行動に目が光ります。

そんなこんなで、残り19本を残し、期限日の7月15日が来てしまいました。

ま、いっか。というハングリー精神の欠けた思いもよぎりましたが、
「明日開けてみて当たっていても諦められる?」
「ミリオネラ〜♪」
と朝からささやきが聞こえ続け、さきほどぐわっとその気になりまして、
19本一気に開けて参りました(さすがに飲むのは無理なのでふたを開けるだけ)。

ま、現実なんて、そんなもんです。

地道に地味が似合うのねと、マサーフィでぎゅうぎゅうの
冷蔵庫を見て、皮算用は水に流れて。




本日のおまけ。



2003.7.18


さて、前回に引き続き、雨のお話オマーン編。

川づたいに隣国オマーンに入ると、
国境を境に、これまたまったく違う風景が目の前に広がっていました。
小高い砂丘はほとんどなく、全くのまっ平らな平野が延々続いています。
砂の質もまた違っていて、砂というより「じゃり」のようなものが多くまじっています。


その砂漠の中を流れる川は、Al-Ainで見たような流れの速い力強いものとは対象的で、
長く居座っていても危険のない、かわいい小川でした。


そこで水遊びを堪能しているうちに、雨上がりに出た日もやや夕日の光に変わり、
小川にその陽があたって、とてもきれいでした。

(注:きれいなのは川です。言及するまでもないことですケレド。)


しかも穴場(?)だったのか、周りには全く人がいず、広大な砂漠に相方さまと私の2人。
聴こえるのは小川の流れる音だけ。
なんとも非現実的な、夢のような世界です。
そう思いながら振り返ってみると、相方さまが川で何かをさがしていました。

「どしたの?」
「いや、砂金がないかなぁと思って。」
「・・・」

本気だったのかどうなのか、真相を確かめることは(こわいので)していませんが、
この人と長い人生を歩んでいく中、「飽きる」ということがあるのだろうかと、ふと思った瞬間でした。

「いいところがあるから」と言われてその場を離れ、
風雨で倒された木に、こりゃらくだとたぶん言いながら群がって食事をしているらくだを横目に

しばらく走ると、車で登るくらいの大きさの砂丘がありました。
(砂丘と言うより小さな岩山)
そこから見渡す広大な雨後の砂漠の風景も、また絶品でした。



これでキーワードの1つ「砂漠の大河」のお話は終了。
次の回のキーワードは2つめの「大雨の後だけできる砂漠の遊び(長っ)」です。

2003.7.20




雨の日特集(?)の続きを書くはずだったのですが、 またもやハプニング。

ここ数日「いいお天気」が続いています。
つまり、曇っていて太陽が顔を出さない、もしくは出しきれないお天気です。

しかも先日は、ここから車で15分ほど離れた砂漠地で、少しですが雨が降った様子。
そのお陰で砂がしっとりし、空気がとても澄んでいたようで、
今まで全く気がつかなかった岩山を、遠くに見ることができました。

目が悪いせいか、もしくは気が散りすぎているのか、
(「あきらかに後者だ」と父の声が聴こえマス。)私は物事を見落とすことがけっこうあり、
「あれ〜あの家最近できたの〜?」なんて聞こうものなら、しょっちゅう相方さまに
「あれは、前に近くまで行って一緒に見ました。」と「またですか」と言わんばかりの
顔で言われる始末。そのため、おそるおそる、「遠くの山がよく見えるね〜」と言ってみると、
「この前の雨のお陰で、ここら辺一帯の空気が綺麗だって職場の人が言ってた。」
とのお返事。それを聞いて、どうどうと
「あの山見えるのはじめてだよね〜。空気が綺麗なんだね〜。」と得意げに言ってみました。

でもほんと、普段いかに街が(砂で)白っぽいのかよくわかる出来事でした。

実は数時間前のこと、数ヶ月ぶりにここにも雨が降ったのです
ものすごい勢いで降りはじめたので、興奮して外をみると、やはり子供たちが
歓喜の雄たけびをあげながら走りまわっています。

私もつられて一人で「キャー雨だ〜!」と雄たけびに参加。
で、建物に閉じこもっていて気づかないであろう相方さまに、さっそく電話。

「外、外みた?みてみて、今すぐ見て〜」
「外?ちょっとまって。。見たよ。なに?」
「え?なんにも見えない?雨。あめ〜」
「こちら快晴。変化なし。どうぞ。」
「・・・」

前にちょこっと書きましたが、住んでいるところから車で5分しか離れていない職場です。
どうやら雨雲はすごい限られた場所だけだったようで、まさに天気予報で言うところの
「(局地も局地、時間も場所もすっごく)局地的な雨」だったようです。

降っていたのは5分ちょっとの短い間。
雨の量はかなりあったので大きな水溜りはできたのですが、降った時間が短かったこともあり、
1時間もしないうちに一気に乾いてしまいました。それでもやはり
気温が下がる効果はあったようで、
蒸し暑くなって不快指数は上がりましたが、
数字上は31度と、いつも(約42・3度)に比べ穏やかです。
雨ってすごい。

前回の雨の時には、雨に喜ぶ子供の画が撮れなかったのでとても残念でしたが、
今回は、わずかですがそれを収めることができました。
雨の中おおはしゃぎだった子供たちも、雨が上がったとたん家に入っていきました。

興奮に任せて書いてみたけど、ハプニングというほどのインパクトはぜんぜんなかった・・。
でも、ここに住むと、5分間だけの通り雨も胸躍るできごとなのです。
だからジャロには電話しないで〜。

これから数日、空気が澄んで、またまた新しい発見があるかと思うと、
いつもに増してお出かけするのが楽しみです。



2003.7.23




「アブダビ」はUAEの首都です。ここAl-Ainもアブダビに所属なのですが、
ここから車で1時間半ほど離れたところに、アブダビというがあります。
日本で言うところの県庁所在地。秋田県の秋田市みたいなものでしょうか。
もしくは、千葉県、千葉市。鳥取県、鳥取市。長崎県、長崎市・・。ま、とにかく、
主要な官庁機関が集結し、大きなビルが立ち並ぶのですが、ごみごみせずに整然とし、
またリゾート都市として、開発がものすごい勢いで進んでいるところです。
(美しいビーチがどんどん狭くなっていくのが、とても残念。)

そこに、UAEの歴史の約半分の15年間も住んでいるご家族がいらっしゃいます。
いろいろなきっかけが重なり、念願かなって相方さまと一緒にお会いできることになりました。

前日は遠足前のように、寝ようと思ってもなんだかワクワクして落ち着きません。
そんな気持ちを相方さまと分かち合おうと、「遠足のときってどうだった〜?」と
聞いてみると、
「学校で遠足に行った思い出は1回だけ」
「そうなんだ〜、で、どこへ行ったの?」
「ペプシの会社訪問」
「・・・それって、社会科見学じゃん。」

今日のUAE、もしくは相方さまの時代でも、もっと都会の学校ではどうなのかは
わからないのですが、少なくとも相方さまの学校生活には、
おやつ300円以内で何もって行こう〜とわくわくした思い出は皆無なんだそうです。
「きゃ〜好きな人とはじめての泊りでの旅行だ〜!」と
本来の目的も忘れて楽しむ修学旅行なんてもの(私だけ?)も存在しないとか。
ま、あったとしても、学校は全て男女別なので、
そんな甘い思い出もできないんですけども(学校ついてはまた後日)。

さて、話は戻ります。
ご家族にお会いするのに加え、もうひとつ、私を興奮させるものがありました。
そのご家族の一員に、「ぱりじ」というワンコがいるのです(女の子)。
日本を離れるとき、我が家のワンコ達と大泣きで別れた私。
こちらUAEでは、ワンコを飼うということが、日本と違ってごくまれです(これについてはまた後日)。
Al-Ainではまだ一度もワンコに出会った事がありません。
そのためこの日をどれだけ心待ちにしていたか。。

都会アブダビに圧倒されながら、間もなくしてご家族とご対面。
残念ながらおねえちゃんには会えなかったのですが、HPから感じられるそのままの
ステキなご家族。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまいました。

インターネットによる人とのお付き合いは、顔が見えず、文が主に頼り。
その為リアルな世界以上に、すれ違いや、勘違いを生むことがあります。
でも、上手に付き合えば、こんなに素敵な出会いを運んでくれます。
手段の全てとしてではなく、人と出会ったり、自分の世界を広げていくための「1つの」手段として、
これからも新しい出会いを楽しみに、せっせとネット生活に励もうと思います。
いや、程よく、ほどよく。
(インターネット、およびPC事情についてはまた後日)



*KEIKOさんのお子さん3人は、英語、アラビア語、日本語に触れながら育っています。
バラエティーに富んでいるのは言葉だけでなく、人、文化、価値観と盛りだくさん。
とても感性豊かで、そして純粋。どんな大人になるんだろう〜。
帰り道、2人で「楽しかった!美味しかった!かわいかった!」の連発でした。
楽しい時間をありがと〜!

2003.7.25


とびとびになりますが、雨の特集(?)第4弾。
今回のお話は、予告どおりの2つ目キーワード「雨の後だけにできる砂漠の遊び(長っ)」です。
相方さまの言う「おもしろいもの」は、砂漠の大河だけではありませんでした。

以前書きましたがこの日は週末。仕事も学校もお休みで、
雨が降る仕切る中、家族連れでピクニックに来ている人もいれば、若者の集団もいて、
多くの人が砂漠に忽然と現れた川に遊びに来ていました。

このあたりでは4輪駆動の車を所有する人が多く、今日は普段以上に
それらが活躍を見せる日です。
まずはこれ。

これは砂漠を熟知したものでないと、危険を伴う上級者向けのお遊び。
砂に足をとられて動けなくなるということだけでなく、
前々回に書きましたが、急に増加する水量に流されるという命の危険を伴います。

でもやっちゃいました。(実は、他に道がなかったので仕方なく。)

わかりにくいのですが、川を横断中です。

ただ手に負えないとてつもなく無鉄砲だった若造の頃と違い、慎重に場所を選びながら、
無理せず運転する相方さまの姿を見て、その「成長ぶり」に、
思わず相方さまの実の母以上に(ーツワモノ母上の話はまた後日。ちょっと参考。)
目を細めてしまいました。

次に出会ったのがこれ。

なにをしているのかわかりにくいと思うのですが、
ここは、水を含んですっかりどろどろ(と砂でも言うのかな?)になった広場。
周りのことなんかおかまいなしに、そのうち事故でもするんじゃないかと思うくらいの勢いで
ぎりぎり衝突しなところでスピンをかけるのを楽しんでいるのです。
近くを通った私たちの車の窓にも、泥が勢いよく飛んできます。

ちょっと(楽しそう・・)と「ウズ(ウズウズまでいかない程度)」っとしましたが、
「あぁまったく、若者は・・」と相方さまの、大人の一言に、
「やってみたい〜」とは言い出せず、被害者にならないよう距離をもってそこを離れました。

その次に出会ったのが、これ。

何をしているかわかるでしょうか。

普段車で通ろうと思ったら、足が取られて埋もれてしまい、
にっちもさっちもいかなくなる場所ですが、
雨の水を大量に含んだ砂漠の砂はいい具合に固くなり、
一気に登れば頂上までいけます。
もしあがりきれなくても、そのままバックすれば、埋まることなく抜け出せるのです。

こんな面白スポットを、「車大好き若者」が見逃すはずがありません。
ただ登ったり降りたりするだけなのですが、運転技術を競いあうのがおもしろい。
相方さまが若い頃から存在するそうで、昔はよく遊びにきたとか。

とーぜん、私の「ウズ」は「ウズウズ」に変わります。

「ね〜ちょっとやってみない〜?」
と、セイイッパイカワイクおねだりしてみたのですが、
「もし車になにかあって、仕事にいけなくなると困るからダメ。明日のことも考えないとね。」
と相方さま。

わおっ。ほんとに大人に成長したんだね〜。
それを期待した頃もあったけどぉ。
成長するってつまらないィィ
どうして成長しちゃったの〜!
カムバック7年前の相方〜!!

すごぉく楽しそうな人々を横目にその場を去りました。

以上が「雨の後だけできる砂漠の遊び」のレポートです。
参加できないものが多く残念でしたが、明日のことを考えなくてもできる、
地味〜な遊びがあります。

これ、砂地を掘った写真です。

砂を掘ると途中まで固く、さらに深くなると乾いた砂が出てきます。
この固い部分の深さで雨がどれくらい降ったか視るのだそうです。
(どう有益なのかはなぞなのですが。)
*ちなみにこの写真は今回のものではなく、その前に降った中程度の雨の時のもの。

「楽しかったね〜」と家路に着いたのは夕方5時半。
一時期17度まで下がった気温も、その頃には23度まで上がっていました。
と、帰ってきて相方さま
「楽しいのはこれから。なにせ今回の雨は雷が一緒だったからね〜。」
と謎の言葉を残し、早朝からの働きにくたくただったのか、すぐ寝についてしまいました。
これが第3のキーワード「雷雨が生む砂漠のきのこ、キッコーマンで醤油焼き(長〜っ)」。
次回へ続くっ。


おまけ
10日後、そのきのこ狩りに出かけたのですが、衝撃的な出来事に出会ってしまいました。
上に書いた「丘登りができるお遊びスポット」、なんとこの日、平らに削られていたのです。
青春のティーンエイジ以前からそこにあった思い出の地。それがなくなっていく姿に、
相方さましばし絶句。
そんな感情もあいまって、目の前で繰り広げられるその光景は、
「どっかの宇宙人が、カニ型ロボットで平和を破壊しにきやがった!!」
と、そんな風に映りましたとさ。

どうでしょう、スピルバークさん。次の映画の参考に。

2003.7.27





7月20日、約3ヶ月ぶりに雨が降り、大興奮でHPにエッセイを載せたのですが、
なんと次の日、これまた短い時間ではありましたが、かなりの量の雨が降りました。
この雨は前日と違ってやや広域。相方さまの職場の方も同時に雨でした。雷もちょっとゴロゴロ。
いやいや、珍しいこともあるんだね〜と感激していたら、
なんと、なんと、7月24日には、ものすごい雷と広域に亘る大雨が降りました。

雨の降る直前、相方さまは屋上にあるタンクの水の様子を見に行っていました(タンクについてはまた後日)。
私は部屋でごろごろしていたんですが、相方さまがものすごい形相で
「早く〜!!カメラ持って、早く早くっ!!」と家に飛び込んできました。
なにがなんだかわからず、あわてて屋上へ。
(この時の相方さまの格好を後で思い出して大爆笑。これについてはまた後日。)
「あ〜間に合わなかった〜。」と相方さま。

雨を何度か経験して、ひとつわかったことがあります。
雨が降る前は、かならず強風が吹いて砂嵐になります。目も開けていられないほどの砂嵐。
コンタクトの人だったら「ヒ〜っ」となるような嵐です。
で、だんだん暗くなり、どどーっと雨が降る。これが一連の流れ。

相方さまが屋上で指差す遠くの空が、どんより暗くなっていました。
砂嵐も起こって、すぐ前が白くなって見えないほど。
実は、相方さまが水を確認に屋上に上がると、周りはまだ視界がはっきりしていて、
遠くから砂嵐がこちらにむかってどんどん近づいてくる、そんな不思議な光景をみたそうです。
慌てて私を呼びに来てくれたそうですが、残念ながら砂嵐のほうが足が長かった速かった。

部屋にもどって程なくしてから雷が。
その後しばらしくして、ものすごい音とともに雨が降り始めました。

あまりに雨が連続したので、
「もしや、うはうは興奮してHPに雨のことを書いたのは、ちょっと恥ずかしかった?」
とちょっと不安に。
が、うはうは興奮したのはどうやら間違いではなさそうで、
こんなに雨が連続して降るなんて、ほんとに珍しいことなんだそうです。

珍しいはずのことも、連続すると感動のアンテナがちょっとしょげてきます。
「きょえ〜雨だ〜。いやっほぃ〜!」が、「あ〜また雨だ〜。」そして
「雨か〜。はーお腹すいた。今夜何作ろ。」
になってしまうわけです。

が、しかし、さすが私が人生のパートナーとして選んだ人。
相方さまは、そんなしょげそうな私のアンテナをぎぎぎ〜っと引っ張り出し、
「砂漠、砂漠にいくよ〜!」っと、夜に砂漠へと出発。
建設中の家がある砂漠へと向かいました。
雨漏りしないか、チェックするいい機会だ〜」と相方さま。
そんなチェック、日本じゃしないよ(正しくは‘必要ないよ’)。たぶん・・。

残念なことに、雨はそこまでは届きませんでした。
でも「なんだか肩透かしだったね〜」と言いながらの帰り道、
道路わきに車が沢山止まっていて、大勢の人が道路の下を覗いている場所を発見。
ちらっと覗くと、なんとまたまた大河ができていました。
せっかくなので、近くまでいって様子をみることに。

夜だったので、ちょろっとみただけでしたが、あっという間にこんな川ができてしまうのか〜
と改めて人工ワディに感謝です。

実はこの前日、車で30分ほど離れたところにある(オマーン領内)
水の流れるワディへと遊びに行っていました。
砂漠に忽然と現れる川。なんと魚もいるのです。カエルもゲコっと。
「雨が降ったから水の量も増しているよきっと。見に行こう」と言われ、
この雨の次の日、さっそくでかけてきました。

いやぁ〜この経験はHPにアップせずにはいられません。
なのでたっぷりまた後日。その前に雨の特集の最終話、
「きのこ狩り」を終えてしまわなケレバ。早くしないと、日本への里帰りの日が
刻々と近づいてきています。パワー全快更新がんばっちゃいま〜す。

そういえば、私雨女でした。それでAl-Ainにも雨が多いのか。
なるほど。梅雨のおそく開けた日本に、8月頭に帰ります。
せっかく長い雨の日が終わるはずだったのにね〜。ごめんなさい。8月6日に帰ります。

2003.7.30




ようやく最後のキーワード
「雷雨が生む砂漠のきのこ、キッコーマンで醤油焼き(長〜っ)」に到着。
はりきりすぎました。とても長いっす。

経験した今でこそ、砂漠にきのこが生えるのもさして不思議に思わなくなり、
先日の雷雨のときも「これでまた、きのこが出るね〜」と私が率先して
言いましたが、この時は「すっごくおいしくってさ〜」と言われても
9割以上信じていませんでした。だって「神様からの贈り物」的な説明をうけても、
ぴんとくるわけがなく。
(しかもその昔、悪気なく物事を大袈裟目に言う傾向にあった相方さま。
根に持つ私は、未だに相方さまの言動への警戒心は厳しい。)

目を凝らして探せと言われても、見たことがないので、どんなふうに存在するのか
皆目見当つかず。「輝くように白い」という、まったくヒントにならない言葉だけを頼りに、
砂漠の中を走ること半日以上。「あれかっ!」となんども輝くように白い物体は見つけたのですが、
全てごみ。

やっぱりやりやがったな〜と、暑さにぐったりしたこともあり、相方さまにがうがう噛み付いた私。
その仕打ちに耐えながら、ほんとにあるんだってば〜と窓から身を乗り出しながら
探し続ける相方さま。
結局この日は無収穫。
疲れもたまって無言になりかけていた頃、大河がすっかり干上がった場所に辿り着きました。
そこで、おもしろいもの発見♪

命名「砂漠のパズル」。
しばしパズルを堪能。そうしているうちに、すっかりはなもものご機嫌は復活。
「ま、来週まできのこへの期待はもちこしてみるか」とその気になりました。


そして1週間後。

「相方さま、あなたのことこれから極力信じます。その努力をおしみません。」
と頭を深々下げました。
どこそこに生えているわけではないので、砂漠をくまなくぐるぐる回って探すのですが、
ほんとに「輝くように白い」物体が、砂漠の赤い砂の上にコロンと出ているのです。


どうも腐った木が転がっているところに多く生えている傾向にありそう。
かといってそういうところには必ずあるかと言うと、そうでもない。
1つは、人家と道路の間の狭い、周囲には古木の存在しない砂地で発見しました。

見つかり出すと、面白い。もう宝探しみたいです。

そしてこの日発見した宝物。

さて、どうやって料理しようかと、うはうはの私たち。
まずは、はなもも式にバーベキューをすることになりました。
2枚に開いて火にかけ、ちょと焼けたところで醤油をかけます。

こんがりしてきたところで、いざ試食。

「・・・(ガリ)」(‘ガリ’は砂の音)
ま、まぁこんなもんかな。じゃぁ、今度は相方さま式にスープに入れてみよう。
「・・・」

いや、ちゃんと解説しますれば、けっして不味いわけではないんです。
でも醤油焼きは、あのキッコーマンでさえも、このきのこの味を引き立たせるには
お役目不十分でした。そしてスープは料理の腕が不十分だった。
(このスープは相方さま担当ーと断り書きを一応ね。)

フォローもちゃんとしておきますと、この次の日、
相方さまが作ってくれたきのこ入りスープ2では、きのこちゃんは本領発揮。
とてもおいしく頂きました。よくある白いマッシュルームの味を
もっと濃厚にした感じ。といっても、相方さまの言葉から推測された
「うめー!!!」と感嘆符付きの感想ほどではなかったので、「やっぱり相方さまの
言動への警戒心はこれからも厳しく」と心に誓った私です。
(食べた瞬間、「言い過ぎだったなこりゃ。」と思ったような顔になったのは、
見逃さなかったヨ。)

味はともかく、年に、もしくは一生に何度食べられるのか?というきのこを食べられたことは、
とても楽しい経験でした(食に対する感想には聞こえませんが)。



*長〜い後日談:タイトル「きのこが新種!?」

雨だけではきのこは生えず、雷(光るだけではなく、音が大事だそうです)が
大事なファクターだと相方さまが力説。
で、どうしても気になって、らしくなく調べてみたりしました。でも記事がぜんぜんみつからず。で、
わたしらしく結局他力本願。ある研究所にメールを送ってみました。
「もしかしたら(分類されていないと言う意味での)新種かもしれません。
次回は50度くらいの熱風で乾燥させて標本を作って送ってください」とお返事が!
(いや、素人がどうやればそんな標本を作れるのか、そこが疑問なんですケドネ)

いやぁ〜盛り上がりました私たち。「新種なら分類はキッコーマン焼きだな」
なんて研究者の友達になんか言われちゃったりしたものですから、否応なく皮算用が始まるわけです。
「このきのこが商用利用されるなら、権利を主張して、で、家を建てる」とか。
「なに、言ってんの。きのこはもともと知られていたもので、
たまたまそれを報告したのが自分たちであって、権利を主張するなんておかしぃ!」とか、
本気でもめるわけです。(どっちが、どっちの発言かはご想像におまかせします)

きのこさん、夢をありがとう。

結局新種かどうかはわからないのですが、きのこというものは、まだまだ奥が深く
分類されていないものが沢山あるんだそうです。雷の効果については、まだ
よくわかっていないのですが、「電気的刺激を与えるときのこがよく成長する」ということは
言われているそうです。

このメールのやりとりと同時期、友達が「こんなの見つけたよ〜」と送ってきてくれた
アドレスにアクセスしてみると、
「雷雨の後だけにきのこが生えます」というイラクを紹介した動画がありました。
種類はちょっと違うようにも見えますが、仕組みはどうやら同じよう。
そこでも、相方さまと同じように「神様からの贈り物」ときのこが紹介されていました。

自分がなにかを徹底して調べる人間であるとか、科学が絶対とか、
そんな大袈裟なことではないんですが、
はじめきのこの話を聞いたときには、想像がつかないこともあって、
「え?なんなのそれ?どうして雷が必要なの?UAEだけなの?砂漠のどのあたりにでるの?」
と質問しても、
「そういわれてもな〜、とにかく神様からの贈り物なんだよ〜」との返事に
なんだか不満で一杯でした。
「神様が砂漠に来て植えていくわけじゃないでしょっっ」と。

でも、科学的な根拠をみつけてなにかの役にたつことは、とても大事なことですが、
「神様からの贈り物なんだよ。嬉しいね。」と言い伝えていくのも
ちょっとすてきなことだなぁと今では思ったりしています。
今までになかった新しい感覚。
不思議体験の連続に、ここにいると、
そんな出会いがこれからもたくさんあるように思えてきます。

新種きのこ御殿も捨てがたいけど。