絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。


2003.7.2


相方さまのお仕事のお手伝い。



相方さまのお勤め先でHPを作成することになり、
イラストを描いて〜と頼まれました。せっかく
その一部を残しておいたので、今日はそれを載せてみました。

単純な絵しか描いたことがない私には、動きのあるしぐさは一苦労なのに、
フラッシュにして使うからと、次から次へと御注文。
「いいんだよ、そんな完璧じゃなくって。適当に、適当に。」
といいながら
「この顔はへんだね」「腕がちょっと曲がってるね」と、
横からやいのやいの。

さらに欲が出た相方さまの次のリクエストは職場の建物。
「できるだけかわいく適当に。イラストっぽく」
って。注文多すぎ。
で、描いてみたんですが、ぜんぜん心をうたない絵の完成。

その横で、ペイントを初めて使って遊んでいる相方さま。
「幼稚園生かいっ」とつっこみたくなるような絵のオンパレードなんですが、
なんか私はとても好き。そのためちょっとおだてて建物の絵を描かせてみました。
(ずうとるびの江藤さんの絵がちょっと浮かびました。凸凹大学校、うろ覚えだけど。。
知っている人いるかな。)

結果、すごい敗北感。
相方さまの描いた建物のほうが、ずっと味があって、いいできでした。
どんなに細かい描写をした絵でも、手の届かないような金額で落札された高価な絵でも
子供の描いた落書きのすばらしさにはぜったいかなわない。。
そういう感じ(?)。

*「うまいかどうか」ではなく「味」の話です。
それを念頭に低レベルの絵の競演をお楽しみください。


なんだかすごい嘲笑が聞こえるような気が・・、気のせいでしょうか。

2003.7.3


      

Al-Ain中全ての砂漠を周ったわけではないのですが、これは初めての光景。
Al-Ain育ちの相方さまもこんなにすごいのは初めて見た・・と2人でちょっと興奮(?)。
写真に写っているのはごく一部。広大な砂漠を蜘蛛の巣のようにぶっとい
ホースが這い回っています。赤い砂に黒いホースなので目立つし、奇妙だし・・。

以前にも書きましたが、砂漠の地下には水が存在します。
しかし、満遍なく水が存在するわけではありません。
そのため狙いをつけて井戸を掘り、水を汲み出します。
どうやらここ周辺は水がよく出る場所のようで、井戸が沢山掘られていました。

そして、水が豊富にあることを証明するかのように、井戸が集中する場所は、
町の中や畑のように人工的に水が撒かれているわけでもないのに、
木が沢山生え、一角だけジャングル化していました。(といっても他と比べて・・という意味ですが)

しかし、中にはまったく動いていない井戸もいくつか見られます。
掘ってみたものの水がうまく上がってこない場所だったのか、それとも
使いすぎて干からびてしまったのか・・。

余談ですが、地下に水が流れているからといって多くの人が砂漠に家を構えると、
水源があっという間に枯渇してしまいます。
そのため、家を砂漠に建てることは制限されており、国の許可が必要になります。


このホース、たどってみると長いもので6km以上、短くても4q以上ありました。
あまりの規模の大きさに、この重いホースをどうやって置いていったのか、とても興味を惹かれます。
それにしても国の作業とはおもえないほど大雑把。
(いや、この国の作業ゆえの結果なのか・・)
「おきっぱなし」という感じ。日にも当たり劣化は早まると思うのだけど・・。

漏れている水は砂漠に延々とまかれているので、部分的に緑豊かに
なりそうですが、残念なことに種がないのか、漏れている水の周りに
緑がしげっているということはありませんでした。
種まきにいっちゃおうかなぁ(だってなんだかもったいなくって)。

ところで「かかし」ですが、国が違っても発想は同じなんですね〜。
これまた国が違っても、 かかしはその役目をちっとも果たしておらず、
そばで鳥が食事をしておりました。


*先ほど、こちらの夜9時半ころ(日本との時差は5時間。UAEのほうが遅いのです。)
「どどーん」とすごい音がしたのでびっくりして外を覗いたら、花火が上がっていました。
なにかのお祝いでしょうか。。あとで相方さまに聞いてみよう。
花火大好き。お祭り大好き。
長い時間はやっていませんでしたが、ちょっぴり「夏」のワクワク気分を味わえました。

*わかりました。結婚式だったそうです。結婚式はとても華やか。そのお話はまた後ほど。

2003.7.4


3・4年前、相方さまが日本に遊びに来たときのこと。



昨日のにのさんちの絵日記を見て、ちょっと思い出しちゃいました。
「時計つながりなのだ、にひ♪」←にのさん風。(無断借用。)


今日は数字のお話。

「アラビア数字」と言われ想像するのは「1・2・3・4・・」だと思いますが、
ここで言うアラビア数字は(左から1234)。
他国で呼ばれる「アラビア数字」は、アラビア圏では「アラビア数字」ではなくて「インド数字」。
(ちなみに、俗に言う「アラビックのり(正式名称アラビックヤマト)」は、なぜアラビック?)

ややこしい話ですが、数字はインドからアラブに伝わり、それがヨーロッパに伝わったそうで、
ヨーロッパ人は元祖インドを見落として(?)、 「アラビア数字(Arabic numerals)」と名づけたとか。
きっと「元祖○○ラーメンはここっ!」と観光地でよくみるような、
インドとしては「うちが元祖なのにーっ」と看板を出したい気分に違いありません。


呼称もややこしいのですが、書き方、読み方もちょっとややこしい。

まず書き方ですが、
このアラビア数字は、微妙にインド数字に似ていて、
インドから渡ってきた名残を残しているのもあります。
例えば「1」は「」、「9」は「」。
ちなみに「5」は「」と書き、「0」みたいです。
でもこれって、数字としてどうなの?と思うのが「0」。
アラビア語数字では「」となり、インド数字を使っている私たちは、
点?ごみ?しみ?と思ってしまいそうです。

また、アラビア語は右から書くのですが、数字だけは左から書きます。
(あぁっ、もう読むのや〜めたっ、という声が聞こえてきそうです。)

つまり「今日の出席人数は5236」(なんの集まりだ?)という文を書くとします。
「今日の出席人数は」までは順調に右から流れるように書いていくのですが、
そのあとの5236は「6325」(右から読む)と書くか、、というと
そうではなくって「5236」とそこだけ左から書くようになるのです。

ややこしい?

では気分をかえて、次はややこしい読み方についてです。
例えば32という数字を読むとします。日本語や英語で考えると
「三十(と)二」または「サーティー(アンド)トゥー」となるわけですが、
アラビア語の数字は
「2(と)30」という読み方をします。

この当たりで読者がどんどん去っていくのを感じますが、あと一息!!ついてきて〜。

じゃぁ132は「2(と)30(と)100」と読むのかと言うとそうではなく、
「100(と)2(と)30」と読むのです。
1132の場合は「1000(と)100(と)2(と)30」・・・。

はい、ややこしい話はここまで。


数字はなんとなく万国共通のように思え、海外に行って例えば買い物をした時など、
書いてある言葉がわからなくても、数字を見ればなんとかなると思っていました。
まったくわからない文字が並んでいても、見慣れた文字(数字)が入っていたりすると、
ちょっとほっとしたりして。

でも、アラビア語もよくわからない頃、はじめてUAEに来てガソリンスタンドに入ったとき、
見渡す限りなんのヒントも存在しないことにびっくりしました。
どこを見渡しても、英語もなければ見慣れた数字も存在しない。
新聞をみたときに、広告の電話番号でさえ見知らぬ文字が並ぶ・・。
なんだか新鮮な体験でした。

でも以前も書きましたが、外国人が半数以上を占めるこの国では、
片言ながらも英語を話せる人がほとんど。
なのでアラビア語の数字がしゃべれないと全くダメか、というとそんなことはなく
「マンゴジュース、ワン、プリーズ」でまったくオッケーですので、安心して旅行をしてください。



*絵の補足
UAEを旅行した際に、探しに探した時計だったのです。
その後相方さまも、折を見ては探してくれたそうで、結局時計屋さんではなく、
雑貨屋さんのようなところに置いてあったとか。なのでおもちゃみたいな時計です。
裏を見てびっくり。日本おそるべしっ。
ちなみに、先日相方さまが歯痛で処方してもらった薬、これも
メードインジャパン。大阪にある会社の物でした。えらいことですがな。(エセ関西弁)

2003.7.6


4月14日に雷を伴う大雨が降りました。

絵の解説はこの下に。


明日は七夕ですね〜。(妹夫婦よ、結婚記念日第一弾おめでとう。<私信。)
いわば超遠距離というのを約6年くらいやっていたのですが、年に2回は会えた私たち。
織姫さん、彦星さんに比べたらまだいいほうだったなぁ。。
雨に降られずに、無事彼らが天の川で再会できますよーに。
(UAE生まれだったら、毎年確実に会えたのニネ。)
世の遠距離恋愛のみなさんも、がんばりませう。

ということで、今日から数回に亘りちょっと雨のお話。
この日の経験は、毎日刺激のある生活を送っている今になっても、
はなももの目線からはピカイチの出来事です。

おそらく、いつもにも増して 私の絵より写真のほうが興味深いと思われますので、
(重たいとは思うのですが・・)写真とその解説を中心に、
「砂漠の地に雨が運んでくるもの」と題して(?)
約4回くらいに分けて書いていこうと思います。

今日はその前ふりでいっぱいになってしまいました。
今後のキーワードは、
「砂漠の大河」「大雨の後だけできる砂漠の遊び(長っ)」
「雷雨が生む砂漠のきのこ、キッコーマンで醤油焼き(長〜っ)」
の3つです。


*今日の絵の解説
以前、Al-Ainのすさまじい乾燥具合を書きましたが、
その際ちょっと触れたのがこの日の出来事です。

片手で数えられるのではないか・・と思うほど年に雨の降る回数が少ないため、
道路も、家も雨仕様になっていません。
私たちの住むアパートのテラス(住居は2階)には、排水用の穴が存在しません。
正確には、穴らしきものはありますが、外につながっておらず、
「なんちゃって穴」になっています(この日にその衝撃の事実を知りました)。

雨に気がついたのは朝4時半頃ですが、
その前から随分降っていたようで、テラスには水がたっぷり溜まっていました。
その水、普通だったらあふれて外へと落ちていくものですが、
なんと、しっかり閉じられて鍵もしまっている窓を通過、
(横だけに限らず、レールと窓の隙間からも)
絨毯が敷き詰めてある部屋へどどーっと侵入してきたのです。

なすすべもなく、ただただしばしボーゼン。。

「はっ」とわれに返ったところで、
とりあえず降りしきる雨の中、テラスの水を掻き出し(相方さま担当)、
部屋の水も多少掃き出したものの(相方さま担当)、
あまりのすごさに(なぜか私も)力尽き、放棄を決断。
その後その部屋を放置したままお出かけしました(今後の続編参照)。

一時期小雨になったものの、また勢いづいてきたので、不安になり一旦帰宅。
ない知恵と少ない資源の中から使っていないマットを見つけ出し、
それを丸めてテラスと窓の境に置き、水をせき止める事にしました。

でも結局、その日それ以上雨がひどくなることはなく、
又、それ以後今にいたるまで雨はふらず、
丸められたマットは用を成すことなく、
そのままテラスで太陽の陽を浴びています。

で、あきらめて放置された水びだしの絨毯部屋ですが、
エアコンのドライをちょっとかけ、出掛けたのが朝8時半頃。
午後2時くらいには雨がやみ、家路に着いたのは夕方5時半。
その頃には部屋はほぼ回復。かび臭くなることなく、次の日には
100%の回復をしてみせました。Al-Ainの乾燥具合が測れる出来事でした。

ちなみに窓からの雨漏り(?)、雨の少ないこの近辺の諸国において、
平均的なお家では、平均的なできごとのようであります。。

おまけ


2003.7.7




えへへ〜。
昨日とても嬉しいことがありました。
このHPを開設して1ヶ月ちょい。「HP覗いたよー」と届くメールは
98%以上(つまり約100%)が身内、又はお友達からのメールというのが現状なのですが、
その中に紛れて先日、1通のメールが関西地方から届きました。
それには絵が添付されていました。
とっても温かい絵で、なんと絵には手をつないだ私たちも参加。

感激デスっ。

その絵をみながら、ふと七夕の話をかつて相方さまにしたことがないことに
気がつきました。
せっかくステキな絵をいただいたので、それを見ながら七夕の話を一緒にしようと
帰りを待っていたんですが、
絵をみた相方さまは、私以上にいたく感激。

「HPに載せたらいいのに」

と言われ、わおっナイスアイデアだね相方さん!とさっそくご本人に連絡をとり、
承諾を頂きました。

7月7日七夕の今日、日本のお天気はどうでしょうか。
Michiyoさん、ステキな絵と、七夕について話す機会を与えてくださってありがとー!!

相方さま指導のもと、ぐだぐだ文句ばかりいいながらHPを作ったのですが、
HPを開設してからステキな人達との出会いに恵まれ、
自分の世界がじわ〜っと広がっていくのを感じています。

HP作ってよかったな〜と思うのと同時に、この出会いのチャンスが絶えないように、
更新をながく継続できますよーにと、ちょっと突っ走りすぎで早々に息(ネタ)切れしないかと
不安に思っている今日、Michiyoさんの絵の笹の葉に祈りを込めたいと思います。。
(ハートの書かれた短冊はちょっと恥ずかしィのデスガ)
それから、
文句だけ一丁前の私に、根気強く付き合ってくれた相方さまへも改めてちょっぴり感謝。
ありがとう。これからも、どうぞよろしく。

2003.7.9


ちょっと飛びましたが、前回に続き、雨のお話。
写真中心、長めエッセイです。

「こんな日に家の中にいたらもったいない!カメラ持って!面白いものいっぱいあるから!!」
と興奮気味の相方さまにせかされ、洪水の部屋を放り、
カメラと写真を溜め置きするためのPCを持って出かけました。

本当はすぐにでもその面白いものとやらに向かいたかったのですが、
今日は相方さまの弟の車の納車日。
名義の都合上、どうしても同席しなくてはならず、まずはそこへ向かうことに。

9割5分以上が晴れ日のUAE。なにもこんなどしゃぶりの日に納車しなくても〜と、
この日をずっと楽しみにしていた弟以外、誰もがそう思っていたに違いありません。
大雨の中、お店の人もびしょびしょになりながら、なんだかごちゃごちゃ色々やったあと、
やっとのことで納車終了。

それなのに、それなのにぃ、慣れない雨で事故でもしたら大変(弟自身の談)と、
結局新車は家に置き、その後友人の車で出かけたそうです。
(行間に、お店の人のやるせない気持ちを読んで下さい。)

めったに雨の降らないここでの人々の反応は、日本において
めったに雪の降らない地方の(雪の日の)人々の反応に似ています(まさに実家がそうなんですが)。

子供たちは大喜びで雨の中を走り回り、車はおっかなびっくり運転になり、
あちこちで衝突事故が発生・・。

ちょっと違うと言えば、「おぉ雪だ、きれいだね」とカーテン越しから鑑賞、
もしくは「寒〜、仕事いきたくね〜」という子供の心を忘れてしまった悲しい感想などではおさまらず、
「恵みの雨」ですから、大人も夜明け前から外に出て、雨を堪能しているというところでしょうか。
しかも神様の粋な計らいでこの日は週末。「大雨の日にだけみられるおもしろいもの」を目指して
沢山の人が、車が、街に出ていました。

日本は梅雨の真っ只中(南は明けたのかな?)。よく降る雨にうんざりだと思いますが、
ここで言う「いい天気」はピーカンの日ではなく、この日のような雨の日(もしくは曇って涼しい日)。
どよ〜んとした空を見上げて「いやぁいい天気ですな。」
まさにところ変わればです。

ちなみにこの日に見た傘をさしていた人は、たった2人。
好んで雨に濡れた人もいたと思いますが、
普段必要ないので持ち合わせていないということが、一番の理由でしょうか。
(写真は傘をさしていたうちの1人。急遽出動することになった傘と思われ、
横降りには役にたたないちーッちゃい傘でした。)

今日走る予定のない車(しつこいようですが)の納車を終え、
いよいよ出発!と思ったときは11時。
この時の気温はなんと18度。この頃普段は30度も後半。
ここでどれほど雨が歓迎されるか、想像易しというものです。


さて相方さまの言う「おもしろいもの」とは何か。

それは砂漠にありました。

まずは日常のAl-Ainの砂漠の「絵」が浮かばなくては、
この後載せる写真たちも、そのインパクトを十分発揮できないと思いますので、
先に普段の姿をお見せします。

これはAl-Ainの砂漠です。なぜいちいち「Al-Ain」とことわるのかと言いますと、
決して大きな国ではないUAEですが、
場所によって砂の色や砂漠の地のありかたが違っているのです。

で、ここAl-Ainの砂漠ですが、砂漠といわれてふと思い浮かべるような、
延々広がるまっ平らなものとは違い(ちなみにサボテンもありません)、
小高い砂丘がいくつもつらなっています。そして海側の地域と違って
砂が赤いのです。


その赤い砂は雨の恵みをうけてさらに赤くなっていました。
しっとりとしてとても綺麗な色です。
(写真2枚目の向こうに見える林は農場で、人工的に育てられているものです。)



そしてこれ、普段のらくだちん。

そしてこれは雨の日のらくだちん。

違いがわかりますでしょうか。雨の日のらくだちんはみんな同じ方向を向いています。
雨が真正面から来るのを防ぐため、雨が向かってくる方向にお尻をむけてすわっているんです。


いつもと違った風景を楽しみはしましたが、「これがおもしろいこと?」と
期待が大きかっただけにちょっと欲求不満。
でもこれはまだ序の口に過ぎませんでした。

続きは又次回。


*雨の日の納車の写真や傘を持って立っている人の写真は、日本を思うと
なんてことないものなのですが、ここUAEではかなり貴重な風景です。
ーと私もこの数ヶ月後に気づいたことですが(雨が降らずに早3ヶ月。日記の出だしは今日も、「また晴れ」)。
画像重たいでしょうか。ごめんなさい。

2003.7.11


昨日ムシャーケル(ガリーバ)に会いに行ったのですが・・



今日は雨の日の続きを書こうと思ったのですが、
ハプニングに遭遇。書かずにはいられず、急遽話題を変更しました。

人生そのものがハプニングの私たちですが、
昨日のハプニングはちょっとびっくり、そして感動。

昨日は木曜日、ここでは週末になります。
朝早く起きて、ムシャーケルの顔を見に出かけました。
ムシャーケルはデイツ(日本語では「なつめやし」)の実が大好き。
(ムシャーケルに限らず、らくだの好物なんだそうです。)
デイツはUAEの特産物で、味も見た目も干し柿に似て、とても甘い。

デイツの木はAl-Ainのあちこちで見られ、
南国でよく見る、パイナップルを大きくしたような(なんて貧疎な解説力)
ココナッツの木にちょっと似た姿をしています。

実はこのデイツ、日本の、ある調味料に使われています。

答えは、お好み焼きにはかかせない「おたふくソース」。
お好み焼きを食べながら、砂漠に思いを馳せてみるのもまた一興かと。
(デイツのお話はまた後日)。

そのデイツの実を取りに倉庫へ向かったときも、確かに同じところを通ったのですが、
あまりの小ささに、迷える子羊ちゃんには全く気がつきませんでした。
まさに「足元に転がっている」ような状態で発見。
おそらくあの「め〜」は、あらん限りのちからを振り絞って助けをもとめた
「め〜」だったのだと思います。

しかし、「すぐ助けなくっちゃ」という発想の前に写真を撮った私。
人間ひょんなところで本性がでるものです。
まぁ、絵に載せた写真はもう「瀕死」の状態のように見えますが、実際にはわりと元気が
あったので、「どうしたの!」というより「わぁ〜かわいい」という感じだったのですが。
ーと言い訳してみる。

で、どっこらせ、と起し

100匹以上はいると思われる、羊たちのいる囲いに連れて行きました。
(らくだちんたちの囲いとお隣さん)

実はこのちょっと前、囲いの扉が開いていて、みんなで大脱走をはかっていたのです。
きっとそのとき母について一緒に脱走したものの、子羊ちゃんははぐれてしまい、
路頭にまよって、どうやらたどりついた日陰で力つきた様子。

とりあえず、砂まみれになった顔を洗っていると、手についた水をおっぱいを吸うように
吸い上げていきます。

そうしているうちに、すっかり元気をとりもどし、
かわいい声で「めー」を連発。

すると、それまで遠巻きにざわざわ、めーめー啼いていた羊軍団。
その100匹以上の羊がピタっと沈黙したかと思うと、その中で1匹だけが「め〜」
と啼くのです。始めは偶然かと思ったのですが、子羊ちゃんが「め〜」というと
「め〜」と一匹だけの声がかえってくるではありませんかっ。

そうしているうちに、他の羊をかきわけ真っ黒の羊が前へ進み出てきたのです。

もう私はびっくり。母羊が名乗り(?)でてきたんです。
相方さまは「あれがおかあさんだよ。」と当たり前のように言いましたが、
私はなんだか感動で鳥肌がたちました。
さすがにこの時は写真を撮るのもわすれ、きっと口もあきっぱなしだったと思います。

さっきまでよろよろしていた子羊ちゃん。「そんな力があったんかいっ」と思うほどに
猛ダッシュでおかあさんに向かって走っていきます。

集団(下写真後方)から前に進み出てきたお母さん、駆け寄ってきた子供のにおいをかいだあと、
じーっと私たちを見て、前足を一回「どんっ」と蹴りあげ、くるっと後ろを向きました。
「うちのこに、二度と近づくんじゃないわよっ」、まさにそんな感じ。
お礼のひとつくらい、言って欲しかったものですケドモ。


(親子で去っていく姿)


母と言えば、イスラム教では、女性や母親と言う存在は、とても大事にされるべきものと
されています。

教えの中にこんなものがあります。
子供の「一番大事にするべき人は誰か」の問いに
「母親」
「2番目は?」
「母親」
「3番目は?」
「母親」
「4番目は?」
「父親」

早く母親になって、今以上に大事にしてもらおうと思います。
と、さりげばくたまにはちょっとのろけてみたりしてみたりして。

2003.7.12


昨日とても残念なことがありました。

昨日もらくだのムシャーケルに会いに行くチャンスがあり、
それと同時に、先日母羊と離れてしまった子羊ちゃんの様子を
相方さまが確認しにいきました。
100匹以上いる囲い。確かに広さはありますが、
決して全てを見てまわることが不可能ではない場所です。

わたしがムシャーケルにあげるデイツを取りに倉庫にいる間、
相方さまはあの子羊をさがしてまわったのですが、どうしてもみつかりません。
不安になって、そこの管理をまかされている担当者に尋ねると、
朝方息絶えているのを見つけたといわれました。

昨日はあんなに元気に走った子がなぜ。。
私たちは言葉を失いました。

それ以上に切なかったのは、母羊を見たときでした。

普段母子羊は、他の大人の羊とは別の囲いに入っています。
食事の時はみんなそろって同じ場所でたべるので、その時は囲いの扉が開くのですが、
そこが開いたと同時に、あの母羊が真っ先に駆けてきて、子供を呼ぶように
「めー」「めー」ときょろきょろしながら啼くのです。

似たような羊は沢山いますが、
わたしでも、それがあの母羊で、子供をさがしているんだとはっきりわかりました。
みんな食事をするために食べ物のほうに向かっているのに、
1匹だけそこに残り、
「めー、めー」とあちこち向いて啼きながら、囲いの中を出たり入ったりするのです。

胸がしめつけられ、言葉を失ってしまいました。


今、あまりにも残念な事件や、人の命が一瞬にして失われる戦争があちこちで起こっています。
地球規模でみたら、小さな国の、小さな町の、小さな牧場でおこった、小さな出来事ですが、
この瞬間にあの子羊ちゃんと、そのおかあさんに教えてもらったことは
私にとっては、とても大きなものでした。

ありがとう。そして、小さな命、すくってあげられなくて、ごめんね。