絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。



2004.10.3




知り合って、この人と人生をともにしていきたいなぁと、
(おそらく)お互いが思ってから9年目に突入。
散々手間どっていた手続きでして、なんだかんだとずれこんでいたので
まったく期待していなかったのがこれよかったのか、
本日も期待通りにこれまたいろいろあった挙句ではありますが(これについてはまた後日)
期待に反して(?)本日ようやく形になっちゃいました。
ーというわけで、お知らせの為、久々怒涛の更新です。

ーと言われても、「なんのことです?」
「夫婦じゃなかったん?」と思われている人もおいでだと思うのですが、
そーなんです。公には夫婦じゃなかったんです。 なので呼び名も「相方さま」。

いただくメールの中にはときどき「ご主人によろしく」と書かれたものが
ありまして、お返事に「いえ、まだ主人ではなくってですね。」と
書こうかどうか迷ったこともありましたが、ややこしいので
そのうち形になったらHPでお知らせすることで許していただこうと(何を?)
開き直っておりました。

いや、ほんとうなら、HPを開設したころには形になっているはずだったのですが、
郷に入ったら郷に従え、私達の体内時計もすっかりアラブ時間、のんびり、だらだら、
マイペース(『今に始まったことじゃない』という両親・きょうだい・友人・・諸々の声はさておき)。
「年内中には(去年のお話)」、「正月あけにはどうにか」、
「いやいや、桜の咲く頃(ここには桜はないですが。)までにはなんとか〜」と
なんと気づけばUAEに移住してから1年半。

本気の本気で結婚を考え始めた頃に値切りに値切って買った婚約指輪も
随分長い間ケースの中で眠っていたし、ようやく指にはまってから今日までに
これまた長い月日があったので、さすがに指輪も傷だらけ。
長年連れ添った夫婦みたい。まことに亀の歩みです。

なにかと不便が伴うので、書類上ちゃんと夫婦がいいだろうとは思っていましたが、
だからといって何かが変わるとは、ほんとにまったく思っていなかった私達。
でもそのときが来た今は、やっぱりうれしくてふたりでニヤニヤ。
見える景色がなんだか違ってみえるのも、「おめでとー」の言葉がこんなに嬉しいのも
なんだか不思議な気分です。

これからは、 もし相方さまになにかあったとき、
ほかの誰でもなくまず私に連絡が入るんですねー。
もし私になにか起こったときには、「ご主人ですね」とまず相方さまに連絡が
入るんですねぇ。
なんだか変なたとえですが、時に数ヶ月も離れて生活するようなときは
そういうことが一番しみじみするわけです。

相方さまよ、いやいやぁ夫婦になっちゃったねぇ。えへへー。
ふつつかものではございますが、お互いふつつかってことで許してね。
この先は、さらにいろいろあるんだろうけど、
今みたいにおんなじことでいっぱい笑える2人でいれますように。
「なにはともあれ幸せでーす」と(多分)迷いなく言える今をありがとう。末永く、どうぞよろしく。

おとうさん、おかあさん
いっぱい心配をおかけしましたが、とりあえずやっとこ一歩を踏み出しました。
これまでなが〜い半歩だったもんね。
改めて、今までいっぱい愛をありがとう。
あ、でもこれからもこのまま引き続きなにかとよろしくー






@お友達・親戚の皆様方にはきちんとご報告させていただきます(準備中ナノデス)。
HPをみてくれているお友達、親戚のみなさ〜ん、HPでの報告が先になってごめんなさい〜。

*御礼その1*

いとこ半(?)たち〜 「いよいよ結婚かっ」となったとき、もらったペアのかわゆいパジャマ、
2年半越しでやっと、やっと使えるよ〜!ありがとう、大事にするね。

*御礼その2*

お友達の今日子ちゃん・慎ちゃん・銀ちゃんから結婚のお祝いに
手描きのペアカップをもらいました。私たちの宝物。夫婦(えへ)2人でおいしく
紅茶をいただきました。これまた約9ヶ月も経っちゃったけどやっと使えたよ〜。ありがとう!

<おまけ>



<予告>次回、結婚の手続きハプニング編へ続く。多分。

2004.10.12

結婚の手続き(儀式?)は、裁判所で行いました。

*絵の解説はこの下に*
結婚の手続きの最中はそりゃそりゃなかなかに
おもしろい経験をいたしました。ーというわけで、
ちょっぴりこのネタ、続けてみようかと思います。
タイトルは、ずばり「ザ、結婚っ」・・・。

本日はその第一弾。


日本では結婚の儀式をしても、公式な夫婦とはなれず、
役所に行って婚姻届なるものを提出するわけですが、
ここでは誓いの言葉などが交わされる儀式も、手続きも
裁判所を通して行われます(場所は、家もしくは裁判所が選択できます)。

イスラムの国は、法律がイスラムの教えに沿ったものが多く
裁判所にはイスラム教のことを専門に勉強した人々がいて
かれらがさまざまなことを取り仕切ります。

結婚といっても、国際結婚であったり宗教のこともあったりで
いろいろ手続きにも段階がありまして、その他もろもろ、
又私達の「なるようになれ」主義も手伝って、とにかくとて〜も
時間がかかったわけですが、UAE人と結婚しようと考えているみなさん、
(といってもそういう人がこのHPを見ているかどうかも謎ですが)
ひじょーにケースバイケース、結婚の方法もいろいろありますし、
タイミングとか、運とか、また相手の住んでいる住居地ですとか
そういうもので随分変わってきますので、
腰をあげてから約2年、だらだら時間のかかった私達を参考なぞにして
「そんなに時間がかかるのぉ〜・・」などと絶望されることのないように。

さて、国際結婚ということや宗教のこと、そして私達ののんびり体質などを
とっぱらったらもっと早くに結婚できていたのか・・
というと、これがそうでもない。
さかのぼる事今年5月2日、「ついに結婚できるかもしれない」と、
実はすぐ手前まで来ていたのです。が、
すっかりその気で約束したその日に裁判所に出向いてみれば

「えー今日から担当のものが1ヶ月ほど休みでいません。 バケーションでーす。」

・・・は?

「は?」以外、発する言葉もみつからず。

その後なんやかんやと手を打って代打の担当者をみつけ
やっと一つ段階アップ。

その後もなんど裁判所に(相方さまが)通ったことか。
約束していた日にいないなんて、ざらなんです。ざら〜。

しかし、国内では、女性の未婚(結婚しないというよりできないというニュアンスが
強い未婚)率が非常に高く、つまりそれは男性が国の外から奥さんを
つれてくるケースが多いせいだということで(つまり私達のようなケース)、
随分前から、国際結婚を禁止にしようという動きがでていることもあり、
あまりのんびりもしていられないと、業を煮やした私達。
なら国際結婚の多いドバイなら慣れているだろうから、そこで手続きをしようっ、と
思い立ってみましたが、結局「相方さまの出身地が違うので」という理由で
あっさり却下。すごすご戻ってきたわけですが、
大都会ドバイの裁判所にでかけてみて、我らが住むAl-Ainの裁判所では、
PCをひとっつも見なかった事に気がつきました。
書類はすべて手書き。机の上には散乱した書類。
はーだめだこりゃ、とおかげさまで長期戦を覚悟できました。

そんなわけで実は10月3日に結婚できるなんて、とてもとても
期待していなかった私たち。5月当初は、裁判所にでかけるたびに、
おしゃれもちとしてみたりして、記念に写真もとれるかな〜なんて
カメラをもったりもしていましたが、さすがにそれもどーでもよくなり、
普段着で出廷。しかも、朝ぎりぎりまで庭の水遣りに精を出しすぎ、
ばたばた、あせあせとおでかけすることになりました。
緊張感もありゃしません。

しばらくHPをお休みしたのは、結婚ともHPとも関係ないところの
理由だったのですが、
再開してすぐこんな風にご報告できることになるとは思いもせず、
裁判所をあとにしてからも「私達ほんとに結婚できちゃったの??」
といった具合でありました。
結婚記念日は忘れないようにどちらかの誕生日に・・なんて気の利いたことも
できるはずもなく、婚約記念日もひじょーに定かでない私達、
なんのご縁もない10月3日、覚えていられるかとても怪しい。

ここ数日ばたばたしていて、先週水曜日には発行されたはずの
結婚証明書の受け取りも、すっかり忘れていた私達。
だ・だいじょうぶかな〜。

<絵の解説>
結局この日、この担当の人は戻らず。
おかげさまで、私は隣に座っていた女性と話しに華が咲いたわけですが、
2時間少し過ぎたところで「さすがにご飯じゃないなこりゃ」と
相方さまもやっと次の行動へ。
別の人に事情を話し、その後は滞りなく進んだのでした・・

ーとなるはずだったのですが。
この続きは長くなるのでまた次回。

2004.10.18

シリーズ「ザ・結婚」第2弾。
結婚の手続きをするときには2人の証人が必要です。
うち一人は外国籍のお友達にお願いしたのですが。
というわけで、私達の結婚を保証してくれた内一人とは、
顔も名前も覚えていないこの時だけの一期一会。



人生とはよくできたもので、
実は、この日のこの出来事を予測したかのような経験を以前しており、
この時も、全くびっくりしなかったとは言いませんが、おかげさまでその驚きも半分。
何事もいろいろ経験しておくものだと、妙に納得。

ーそれは、結婚手続き2段階目の日のことー。


こういう「手続き」なるものは男性が動き、女性は待っていることがほとんどです。
日本の免許やパスポートの更新などは、どんな要人だって本人が行うものですが、
ここでは、男性に「よろしくー」と丸投げ(小泉さん?)しちゃってもオッケーで、
女性自身がやってももちろんかまいませんが、必ずしも本人がいなくても
いいんだそーです。また例えばサインなどの為に、本人を必要とする場合でも
夫や父親などが手続きの過程をほとんどし、サインのときだけ
待合室にいる女性本人を呼びに行く。。という構図ができています。

私も自分の書くサインを終え、椅子に座って、相方さまが右へ左へ書類をもって
うろうろしている姿を見ていると、一人のUAE人の男性がふらり〜と私のところへ。
「相方さまはどこ?(聞かれたときは彼の本名でしたが。−あたりまえか)」
と突然聞かれました。
相方さまの名前を言うので、裁判所の人か友人かと思い、相方さまの消えたほうを
指差すと、その人もそちらへと見えなくなりました。

ーとすると今度は相方さまと彼が一緒に戻ってきて、同じ部屋に入ったままでてきません。
「なんだやっぱり裁判所の職員か。なにか問題でもあったかなぁ」とちょっと気になった私。
しかししばらくしてなんということなく、普通の顔をして出てきた相方さまは、
また右へ、左へといったりきたり。

その日の手続きが終わって車に乗りこんだ私たち。
と、相方さま
「さっき男の人がきたでしょ」
「うん、名前知っていたみたいだけど、裁判所の人?」
「違う。」
「友達だったの?」
「違う。離婚の証人になってくれって頼まれた。」
「?・・は??お知り合い?」
「違う。初めて会った人。」
「?・・うーむ、どーいうこと?」
「離婚の手続きにきたんだけど、証人になってくれる人がみつからなかったんだって。
で、結婚の手続きをしている自分をみてこの人なら証人になってくれるかも
って思ったらしいよ。」
「な、なんで名前知ってたの?」
「手続きしているその書類から名前をみたんじゃん。多分」
「で、証人になったの?」
「なったよん。」
「サインするだけなの?」
「いや、証人なったからには、ちゃんと義務を果たしたよ。」
「義務?」
「『もうどうしてもやりなおせませんか』って二人に聞いたんだけど、
『どうしてもやりなおせない』って言うんで、『なにかやり直す方法があるんじゃないか』
って提案してみたんだけど『たくさん話し合ってやはりこの道しかない』って。
だから証人としてサインした。」
「・・・あ、そうぅ。」

結婚の手続きをしにいって、それ中断して離婚の証人になるなんて
やっぱり私たちはこうでなくっちゃねと思ったものです。
これまた一期一会ではございましたが、何かのご縁、なにはともあれ、
お二人それぞれにお幸せに〜っ 。
(思いのほかけっこう離婚は多い。これについてはまた次回。)



10月15日新月を向かえ、ラマダンに入りました。ラマダンカリーム!
ーこれはラマダンのときのご挨拶。「全ての人にご加護を〜」とかまぁいろいろ
背景や意味がありまして、お正月の「明けまして、おめでとうございます」に、
「健康に新しい年を迎えられましたね〜」「今年もいい年になるといいですね〜」
「新しい年だ、心いれかえるぞー」「今年も儲けまっせ〜」など、とにかく
沢山の意味がつまっているのと同じで、一言で訳すのは難しく・・。
ま、とにかく、ラマダンカリィ〜ム!

<おまけ>
ラマダン、本日のご馳走メインディッシュはこれ〜♪

<私信也>
だいちゃーん、生きてる?おたんじょうびおめでっとーっ。
by 相方さま&はなもも

2004.10.25
沢山のお祝いメール本当にありがとうございました!
お返事ちゃんと届いていますでしょうか〜


シリーズ「ザ・結婚」最終章・第3弾。

先々週水曜日には「できている」と言われた証明書を
相方さまに取りにいってもらいました。
というわけで、証明書により、結婚の
証人になってくれた人のお名前がやっとわかりました。



「健やかなるときもー、病めるときもー、死が二人を別つまでぇ・・」
とは教会で結婚式をあげるときの牧師さんのお言葉。
また、スピーチでは「終わり」「別れる」などは禁句というのが
結婚披露宴の常識。つまり、
『このおめでたい出発に「離婚」なんて不幸せなことは考えず、
結婚を決めた二人でいつまでもお幸せに〜』
という考え方が世の中大概を占めるのではないかと思うのです。

このHPに足繁く通ってくださる方でしたらもう想像がつくことと思いますが、
その「世の中の大概」が当てはまらないことがよく起こるのがここ。

先日もらってきた結婚証明書の中には、ある数字が書かれています。
アラビア語でマハルといいますが、訳したら「結婚金」(?)
とでもなるでしょうか。
結婚をするときに、女性がこの結婚金を決めまして(実際はあらかじめ
話し合ってあったりすることも多いそうですが)裁判所に提示、
<結婚をするにあたって、男性がいくらいくら女性に払います>という
誓約をします。

結納金に似たもの?とはじめは思ったのですが、それとはちょっと
違っていて、この結婚金、実は2つの項目に分けて金額を申請します。
ひとつは「結婚するにあたって男性が女性に払うお金」
もうひとつは「離婚する時に男性が女性に払うお金」。

イスラム教は女性を守るための教えや決まりごとがとても多いのですが、
これもそのうちのひとつ。万が一離婚するようなことになっても、路頭に
迷うことのないように、女性があらかじめお金をもらっておくというのが、
マハルのできた、いくつかある理由の一つなんだそうで、つまり、
結婚の時点で「離婚になっても困らないように・・」とお金の話を
するというわけ(実際は、皆が皆、そんな風に意識しているかどうかは
わかりませんが)です。

このマハル制度、実はもうちと複雑になっているので
少し詳しく書きたいところですが、長くなりそうなのでこのへんで。



まぁこれだけでも「結婚の時に離婚のことを考えるなんてねぇ」と
驚くものですが、さらにほほーっへぇーと「ところ変われば」に感心(?)
したのは式でのこと。
裁判所で結婚の手続きをしたと書きましたが、その過程には
サインを書いたりするだけの事務的なことだけではなく、
コラーン(イスラム教聖典)の一節を唱え、誓いの言葉を述べる
という「式」的なものもあるわけです。

事務的な手続きの最中は、人の出入りが(激しく)あって、
「あの〜今私達大事な結婚の手続き中なんですけどー」と
叫びたくなるくらい、順番なんてありゃしない。そのため中断されること
数知れず。でも、さすがにその「式」の最中は、ドアも閉められ、
同室にたまたま居合わせた人も静かに座って、一緒にコラーンの一節を
くちずさみ、ひじょーに厳かな雰囲気になります。

で、その中の一節にこんなのがあります。
「結婚したときも幸せであり、また離婚になった場合でも、同様に
幸せであるように・・」

離婚前提かいなっ、
っちゅう話ですが、一度決めた結婚を貫くことだけが
絶対の幸せだとはかぎらないんじゃないの〜と思う私には、
現実的なお言葉に「そりゃそうだ」と思わず納得。

離婚話のついでにこんな話も。
離婚をした場合、結婚の時にお約束したお金を妻はもらうのですが、
それに加え、たとえ妻が夫よりもお金を持っていても、仕事を持っていても
夫の持つ全財産の半分を分けてもらい、また生活費や、子供がいれば
養育費なども、(元)夫に負ってもらうのが原則なんだとか。
これについては、この先私達が離婚するようなことがありますれば、
そのときまた改めて。

さて、マハルのお話に戻ります。
で、いったい私はいくらを提示したのか、興味深いところだと思います
(特に私のお父さん)。
「この人と結婚できるだけで幸せです、お金なんていりませんっ」と
芝居を打って、相方さまを感動でフルフル震えさせたのか、
「毎週のお買い物のお小遣いとぉ、日本に帰った時の豪遊費とぉ、
あ、こんなのは夫が日常出すのがあたりまえか(これはほんとのお話
女性が自分のお金をもっていても男性が払うのが慣例、ここの男性って
そういう意味では大変です)、離婚したら新しい車も買いたいし、
家も日本に建てたいし、仕事しないで暮らしたいし、それらを計算
しますればーぁ、」と、したたかさ丸出し、相方さまのサインを書く手が
ワナワナしたのか、それは夫婦二人の秘密です。

長くなりましたが、シリーズ「ザ・結婚」これにて終了でございます。