絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。


2004.5.12


我が家には、よく見られる、ベットの下や部屋の角に溜まりがちな
埃らしき埃というものがあまり存在しません(それって普通?)。
「おおおっ、所変われば人も変わるのか。やっぱりかわいい子には旅をさせろねっ」
と期待しちゃった我が母、ごめん。そうじゃないの。
埃をみたら「キーっ」となるようなお掃除ダイスッキ子になったわけじゃないんです。

「きれい好き」かと聞かれると返事に窮しますが、きれいなのは好きだけど、汚くてもじぇんじぇん
気にならない。このへんは相方さまとぴったり息の合うところ(いいのか?いいのだ)。
なんですが、一応家というものを構えて、その中に住むという文明人としては
掃除せずにはいられない理由があります。

前にもちょろっと書きましたが、砂がすごいんです。
もうすっかり毎日40度を越す暑さ。湿度が低いので日陰はけっこう涼めますし、エアコンも
よっぽどのことながなければ使わずに済んでいるのですが、窓を開けてそよそよ吹く風に
「あぁ気持ちいいぃ〜」なんてやっていると、
「あああぁっ」
部屋中すごいことになるのです。砂だらけ。ベッドの上も、机の上も、(出しっ放しの)服の上も。
ここは海の家ですかぃ?ってくらい。

「そんな、おおげさな〜」って思う人もいるでしょ?
そんな人のために証拠写真。

家の中に棲む文明人なのですが、掃除機という文明の利器のない我が家。
壊れた掃除機を修理してくれると言ったきり約3ヶ月、
一度は直してくれた(ようにみえた)のですが、細かいことは気にしない
おおらかな(正しくは、いいかげんな)私も、「さすがにその直し方はどうなの」と思ったほどのできばえで、
やはりあえなく1日で使い物にならなくなり、
それ以来相方さまの目には掃除機が入ることはなくなったようで、
しょうがなく、割と優れものの愛用の箒でお掃除しています。
ーというわけで、砂を掃くと当然埃もついてくるわけで、埃のたまらない部屋になっているというカラクリ。
ちなみに掃除はとても下手。なので極力掃除の便宜を優先に、
家の中は(できるだけ)シンプルに、(できるだけ)物をふやさないように
(できるだけ)心がけているしだい(すべて任意努力)。

が、じゃぁ家の中はぴかぴかなんだ〜というとこれが違う。
ここらあたりの平均的な家故、雨水がはいってくるようなできの窓。それを通って、
または時に、「やもり」もすすーっと入ってこれちゃうドアの下を通過して(さすがにこれは閉じました)、
または天井の細かい目の間を通りぬけ(つまりは屋根も通り抜け?)、
アルアインのさらさらの細かい砂はお茶の子さいさいで家に侵入してきます。
なので、掃除してもちょっと時が経つと、家具の上はどこそこほんのり白い。
もう、「キーっ」ですよ。ほんと。
(赤い砂なんですけどね、家具の上にほんのり溜まると白っぽくみえるんです。)

せっかく家を持ったのだから、少しは外との区別はつけたほうがいいでしょと
文明人の意地として掃き掃除に勤しんではいますが、今のところ砂のほうが上手。
今のところと言うよりは、ここに住む限り、ずぅーっとそうなんだと思います。
ま、こうなったらあきらめの境地。
「お掃除してはいるんですけどね、この環境でしょ、どうしても完璧という
わけにはいかないざますのよ、おほほ」と下手な掃除も言い訳ができるというもので。

家の裏(というより家の周りぐるっと)の砂丘、ほんとーに綺麗なんですけどね。
この景色を独り占め(?)できるのはとてーも贅沢だとおもっているんですけどね。
なかなかに一長一短でございます。


2004.5.24




今日は「時間」のお話。
我が家には時計と呼べるものは、私が学生の頃にいただいた、10何年物のちょっと黄ばんだ
ドナルドダックの目覚まし時計しかありません。(私と一緒にアメリカに渡り、その後
相方さまとアメリカ生活をし、なぜか私よりも先に相方さまとUAE生活を始めていた長いおつきあいの時計。)

これでもさしてこまらないのです。
目覚ましなしで朝日の時間に目が覚めて、庭に水をあげながら
「日が強くなってきたなー帽子が欲しいなぁ。もう9時頃かな。」と家に入り、
木が作る影をみて「あ、そろそろお昼だね」と思い、
夕日をみて「まもなく6時半か」と夕飯作りにかかる日々。
朝日とともにおきてきて夕日とともに寝てしまい、雨の降る日は雨の唄を歌うロマンチックな王様、
その名も偉大なカメハメハもびっくりの生活です。

ここでは大概どこにいても、「そろそろお祈りの時間だよ〜」と、あちこちにあるモスク(イスラム寺院)の
スピーカーからアザ−ン(と呼びます)が聞こえてきます(とても美しい響きなのですが、聞く人によっては
「いーしや〜きいも〜焼ーき芋〜」「さーおだけ〜竿竹っ」に聞こえるようでございます)。
そのアザーンでだいたいの時間を知ることは、ここに住む人にとってはけっこう普通のこと。

絵にあるように毎朝同じ位の時間に通るらくださんご一行も、時間の目安になっているのですが、
最近はそれに加え、庭にくる鳥の様子をみながら、「あ、今11時くらいね」とか
「夕方も4時くらいか」なんて思っている自分に気づいて「これでいいのか?」と不安になってみたりして。

ここまでとはいかないまでも、こちらの方々は「えっと時計はお持ちですか?カレンダーはお持ちですか?」と
つっこみたくなることがしばしば。
というより、つっこむのもばかばかしくなるほどに、時間にはとても寛大(ルーズ)。
アラブの国にはアラブの時間が流れています。
「じゃぁ10時に修理に来ますので」と言われたらそれはもしかしたら「12時」かもしれないし
(「10時半かもしれないし」などと甘いことは考えてはいけない)
夕方5時かもしれないし。十分考えられるのは、もしかしたら今日ではないかもしれないということ。
「予定はあってないもの」と割り切って、ここで生活するには「いちいちきりきりしていたら損損っ♪」と、
どーんと構えていたほうが得なのです。お肌のためにも。いらいらはいけません。

UAEに移住して間もなく、さっそくどかどかとその洗礼をうけました。
ぶちっといきそうになったことも数知れず。
でも、今では「11時に家具の搬入しますので」と言われたら、
「じゃぁ午後1時くらいに準備しておけばいっか」という具合になかなか読めてきた私。
なのに、そんなときに限って11時ぴったりにきたりするもんだから(そんなことはめったにないけど)
まだパジャマだよーっ顔もあらってないよーと時間どおりに来たことに何故か腹をたてたりして。

そういえば、買った家具の取っ手がこわれていたので、搬入してきた人に言ったら
真摯な顔して「では明日持ってきます」。
もうかれこれ2ヶ月もたちますが(これはある意味予定通り)、さていつになったら届きますか。
いまとなってはそれが楽しみ。
(近々この国にも電車ができるらしいといううわさ。
さぁ時刻表って存在するのでしょうか〜。時刻表どうりに電車が動くのでしょうか〜。でも、日本みたいに
「きっちり時間ぴったり」というシステムのほうが世界をみてもめずらしいんですって。私は最近知りました。)


2004.5.31

お隣の国オマーンにある 「サラーラ」というところに旅行に行ってきました。




あまり日本では旅行地としては知られていない場所ですが、 湾岸地域のこのあたりでは
「中東のヨーロッパ」としてよく知られていて、旅行地としてはとてもメジャーな場所です。

というのも前に海、後ろに山をかかえていて、このへんでは珍しい モンスーン気候
(といっても私も実はよくわかっていないのですが)の 影響で6月〜8月くらいにかけて
雨がたくさん降ります。そのため、それ以外の時期は、山は岩でごつごつした、砂とも土ともつかない
土壌に枯れ木がたくさん生えているような、富士山の6合目以上か、三宅島か
(といっても私が中学校の頃に青年の船とやらで訪ねた噴火あとの三宅島のお話)
といった風景なのですが、この雨の時期は一気に草木が息を吹き返し、緑豊かな日本を思い出すような、
またのどかなヨーロッパの奥地を思い出すような、それはそれはみごとな緑色の山に変わります。

というわけで、気温は30度ちょっと、雨がだかだか降るといった、日本では蒸しあつ〜い真夏のような
ちょっと敬遠したくなるような気候ではあるのですが、このあたりに住んでいる人(なにせ日常は45度)
にとっては、30度!おおおっ涼しい〜。雨!川!緑ー!!わおっ。と 避暑地と化す訳です。

で、ピークにはたくさんの人が来るのですが、 日本の観光地のように
「サラーラ饅頭」「サラーラペナント」・・・といった特別な(?)お土産品があるわけでも、
観光客用のお店が並ぶわけでもなく、閑散とした、なにってないしずかーな町。

でもって、たくさんの人が来る割りに、ホテルがちょっとしかない。
どして?と思ったのですが、
こちらの人はサラーラに来るのにホテル滞在はあまりしません。
このときとばかりに、サラーラに住んでいる人はこぞって町を出て、旅行者に家を貸します。
家族で来る人は料理をする人も連れてきて、そういう一般家庭に滞在するんだそーです。
または、テント(といっても日本のキャンプで使うようなおしゃれなのでは なくって、
もっと遊牧民風(?)のテント)を持ってきて山の中に滞在します。

ややシーズン前だったので、緑がちょっと出始めたばかりの、観光客なんてだれーもいないサラーラでしたが、
興味深いところでした。

町はアラビア海の海岸沿いにあって、海もたっぷり楽しめますが、
そこを拠点に3日もあれば十分車で廻れてしまう山々を ぐるぐると廻って堪能してまいりました。
そこは、牛200匹にらくだ100匹 、それに対して人間5人もみなかったんじゃないかと思うような
素敵な場所。

というわけで、旅行記なんてものをちょっと書いてみようかなとおもってみたりして。
といっても、行こうと思う人がいるとはあまり思えないので、
お役立ち情報ではないことはお約束します。

1.誰もいない海、とり憑かれたようにカニを追いかける相方さま



2.ホテル前のビーチ、打ち揚げられた魚の間を縫って、これまたとり憑かれたようにカニを追いかける相方さま



<おまけ>
おおとかげの巣