絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。




2007.7.12



リカちゃん人形、バービー人形、とあるように、
このお国のこれは「ジャミーラ人形」。


こういうものがあるんだと聞いたときから、いつかは手に入れてみたいと思っていたのが
ようやく叶いました。といっても、リカちゃん人形を持っていたことはないし、
普段こういうものに興味があるかといえば、まったくないんですが、
この「アラビアバージョン」にものすごく惹かれたわけです。

最初は単純に、服にお国柄がでていておもしろそ〜という気持ちでしたが、
ふと気がつきます。
以前書きましたが、イスラム国ですので、「あは〜んうふ〜ん」系はご法度です。
今は随分とゆるゆるになってきましたが、それでも、育児本の赤ちゃんの裸にモザイクが
かかっていたりするわけです。そんなお国の人形ジャミーラちゃん、
いったい体の作りはどうなっているんだろう・・と。

そんなこんなで、いそいそとおもちゃ売り場に行ったのですが、
なんと!ジャミーラちゃんの隣にはアラブ人「ジャミール君」がいたのです。
もう迷いなくセットで買いました。

肝心な(?)体の作りやらはどうなっていたのかというお話は後ほど書くこととして、
このジャミール君、私はおおいに気になりました。
「いったい君は何者なのだ」と。

というのも、リカちゃんやバービーちゃんにボーイフレンドはいる事は知っていますが、
婚前の男女が交わる(といっても、交際という意味で)ことがないに等しい
このアラブイスラム国で、まさか、ジャミール君がジャミーラちゃんの彼氏ということは
ないだろう、友達というのだってありえないに違いなく、
ではいったい二人はどういう関係なんだろうと思うわけです。
そういう発想が出たことに、こっちの生活にすっかり慣れ親しんできたんだなぁと、
変なところで感心しながら、とにかく裏の紹介を読んでみる事に。

ソンナバカナ!そこには
「ジャミール君は、ジャミーラちゃんのアラブ人のお友達」とあるじゃないですか。
これには相方さまもちょっとびっくり。
いい例えがぜんぜん浮かびませんが、言うならば、天皇陛下がバイクに乗っている人形を
みつけたような(なんか違うけど)、アメリカ映画に出てくる日本人が中国人みたいな
そういうなんというか、全くぜんぜん違う文化の人が、適当に作ったとしか思えない
どこかしっくりこない異な驚き。



さて、前置きが長くなりましたが、ここからが実は今日の本題です。本題も長いです。



そんな男女事情の国に住む相方さまの下の弟が、結婚をするかもしれないという話が浮上しました。
相手はUAE人の女性です。 時代は変わってきているというものの、まだ親の決めた結婚とか、
親戚同士の結婚とか、そういうのが多い国なので、弟もきっと誰かが持ってきた
話なんだろうと思っていました。

が、そうではなくて、弟がその子を気に入って、奥さんに欲しいと言い出したというので
びっくり。学校は男女別、職場も女性のほとんどない職場(いたとしてもそこから恋が
めばえるなんて無に等しい)、合コンなんてあるはずもなく、街の女性に声をかけるなんて
ありえないこのあたりの社会環境で(都会はまた違いますが)、いったいどうやって
その子をみつけたんだと聞いてみれば、兄嫁の知り合いで、そのため遊びに来たところ、
ばったり出くわしたんだといいます。

そこで次の疑問が浮かびます。
「顔を見たの?」
髪を隠すのはイスラムの教え、顔全てを隠したり目だけ出すのは単なる
その国の風習だという考えが主流なのですが、昨今、
黒いアバーヤといわれる体を覆う服(?)も、髪を隠すスカーフも被らずに、
車をがんがん乗り回す女性も出てきた反面、男性の前には絶対に出ず、外出するときには
頭から足まですっぽり黒で覆う女性も普通にいっぱいいます。
私たちの住むAl-Ain辺りでは、相方さまの妹たちもそうですが、外出時、顔はまったく隠しています。
やはりその弟のお眼鏡に適った彼女も、普段は顔を隠しているそうですが、この日たまたま家の中で
はずしているときにばったり出くわし、ちらっと見えたんだそう。
その顔をみて「いいなぁ〜」と思ったんだとか。

そうなると、次に来る疑問はやはり
「話をしたのか?」
男女交際が普通でないだけでなく、仕事など以外で言葉を交わすことも日常にないわけですが、
案の定「ぜんぜん」。

ってことは、なんですか。
一目ぼれも一目ぼれ。相手のことはぜんぜんわからずに、ちらっとみただけで、
いきなり結婚を考えたわけですか。

つまり、相手を知るための「交際」ということが、端から頭にないわけで、
これが疑問に思うことなく普通なのです。



ここまでの話、こちらの風習としてわかっていたことでも、身内話となると、へ〜、あの弟がね〜と
興味津々でいちいちおどろいたわけですが、ここからがまた私には新鮮で驚く話が続きます。

彼女をみかけて「結婚相手にいいな」と思ったところで弟、とりあえず彼女のことを
兄嫁に聞いてみたわけです。
独身であること、彼女の家と弟のいる実家は、私たちの家を真ん中に等距離で
そう遠くないということがわかりました。

そこで、弟は決意します。
「彼女と結婚したい!」

話の展開がいまひとつ読めなかった私に相方さまが説明します。
日本でもし結婚し、お正月とか、お盆とか、何かの行事に奥さんと奥さんの実家に行ったとします。
当然家に上がって食事をしたり、談笑したり、時には飲み交わしたり、そのままお泊り
ということだってあるわけです。
が、こちらではそういう風習はないんだそうです。
奥さんを実家に連れて行き、家族(男性陣のみ)に挨拶をしたら、
家族団欒する中に入っていくことはまずなく、そのまま家を離れます。
で、帰る頃を見計らって迎えに行くんだそうで、
なんだかそっけないような気もしますが、それが普通なんだとか。

で、弟としては
「家がすごく近いから送り迎えが楽。送り届けたら、兄ちゃん(相方さま)の家で
時間をつぶせばいいし。」と、こりゃもってこいだ!と思ったんだとか。
そんなんが、結婚相手選びのポイントだなんて。

さて、結婚したい人ができた弟、その旨を両親に話します。
で、両親からゴーサインが出ると、次は父親、男兄弟をぞろぞろ連れて、相手方の家へと趣きます。
この日、本人、父親、長男、相方さま、そして何故か甥っ子がおしゃれをして出かけていきました。

相手方の家では、これまた父親を筆頭とした男衆(兄弟とか伯父とか)が待ち構えています。
中に招かれ、相手方の父親たちと世間一般の話(らくだがどうだとか、羊がどうだとか・・)を
するわけですが、ここでは結婚の具体的な話はおろか、絶対に当の本人である女性の話は
出ないのです。もちろん女性の父親が「うちの娘をどこでみたんだ?」とか
「どこが気に入ったんだ?」とかそんなことを聞くこともなければ、
こちらから、「今日は娘さんはどうしていますか」なんぞ触れることもありません。
ましてや「娘さんのご趣味はなんですか」なんてもってのほか。速攻追い出されること間違いなし。
いったい何をしに来て、誰の話をしてんだ?と思っちゃいそうですが。

で、ひととおり(といっても、らくだとか羊とかそういう話)話が終わった後、お開きの前に
「じゃぁいつまでに返事をもらえるか」とようやく結婚の話題が出ます。
さして結婚についての話題がでたわけじゃないのに、いきなりです。まぁ暗黙の了承で
結婚相手をみせにきたということなんでしょうが。
返事といっても、「結婚します・しません」ではなく、
「結婚の話を進めてもいい」という了承の返事ではありますが、
このときは「1週間」と決まりました。
その前に兄ちゃん(長男)が、「じゃぁ2日後」と言ったそうですが、
相方さまがそりゃー無理だろうと1週間を提案してそれに決まったとか。
そりゃそうだろ、2日ってぜんぜん考える時間がないに等しいじゃんと
女性の存在丸無視な提案になんだかな〜兄ちゃんよと思った私。



ここまで話はすすんだわけですが、ここでまた疑問に思うわけです。
親戚でもなければ、長い知人でもない家族の娘、まったく性格も、普段の生活も、
現在のところ何にも情報がないに等しいんですけど、
これで決めちゃうわけ?と。

ここで、母ちゃんの出番になります。

順序としては色々あるようですが、今回の弟のケースでは、まず結婚話を進められるかどうか
まずその返事を待って、もしオッケーが出たら、こちらのお母さんが出動。
相手の家に趣いて人となりやら近辺事情やらを調査(?)しに行くんだとか。

アラブ社会、女性は表に出ないから立場が弱いとお思いのみなさん、とんでもございません。
イスラムの世界では以前書きましたが、「母親」は、なにはなくとも大事にされなければ
ならない存在です。そして、アラブの母ちゃんは強いですっ。
家の中の決め事は、父親よりも母親の権限が強いことがとても多い。ことに、相方さまのお母さんは
家族みんなが恐れる(特にお父さんが一番恐れているような)最強の存在。

その強さが如実にわかる話がひとつ。相手の家に行った際、お母さんが「車3台で行きなさい」と
男衆に指示を出しました。どう考えても2台で十分なのに、見栄っ張りのお母ちゃんは
ハクをつけたいがために3台案を出したのです。案っていうか命令。でも男衆は「2台で十分だよな・・」
ってことで、2台で行っちゃたわけですが、お母さんの命令に背いたわけで、
「こうしよう、!一台(相方さまの車)は、なんだか調子が悪いので置いていくことにしたってことで」と
満場一致で口裏あわせをしたんだとか。
男4.5(甥っ子は0.5)をもってもお母さんにはかないません。

ということで、このお母ちゃんが、「NO」といえば、
いままでのこのプロセスが、みんな水の泡と消えてなくなります。
先日「結婚話を進めてもいい」という返事を無事にもらいましたので、数日後には、
お母さんが相手の家に出向くことになっています。はてさてどうなることやら・・。



さて、話は戻り、ジャミーラちゃん、ジャミール君ですが、相方さまと二人、興味津々で
服をちらちらめくってみました。怪しい夫婦です。
そこには、なるほどね〜という作りが。
まず、ジャミーラちゃんは黒い服を脱がせると、下にシャツと腰巻のようなものを履いていました。
さて、その下は上下半身ともどうなっているのかとドキドキ。
んが、めくってみたら人形にしっかりペイントで下着を着せていました。
つまり脱げない下着。
服の中には、こちらの女性の多くがそうであるなが〜い髪の毛が入っていて

手や足には、別に特別な日に限らず、「ヘンナアート」といっておしゃれとして
模様を描くのですが、それもほどこされてなかなか細かい演出。



一方のジャミーラ君、白いおばQ服カンドゥーラの下は、シャツと短パン下着を
履いていました。で、その下は・・。
すごいロボット仕立ての下半身(露骨ですみません)。
ジャミーラちゃんの細かい演出を考えれば、手を抜いてそうしたとは思えないのです。
つまり、人間としての体のつくりをわざと避けた「でき」。
ということで、ジャミール君は男の子のようで、人間の男性ではなかったのです。
なるほど!それで、
「ジャミール君は、ジャミールちゃんのアラビア人のお友達」と書いても受け入れられるというわけか!
ーと、妙なところで、相方さまと私は納得したのでした。
しかもよくみれば、こちらの男性のほとんどがもつ「髭」がない。
つるんとしたきれいな顔のジャミール君です。

(*髭がないとゲイですか?と聞かれたことがありますが、別にそうとは限っていません。
ただ大方の男性は髭を生やしているので、ないとちょっと違和感を感じることはあるようです。)
一応アラブ人のゴージャス好きを強調しようと、カフスが金(ビーズだけど)でした。


でもこんなの現実的には今のところみたことないですが。

というわけで、スーパーで買ったリカちゃん人形アラブバージョンから
相方さまの弟の結婚話まで話は飛びましたが、
アラブの男女事情はとても興味深いのです。
やんちゃな相方さまもナンパに始まり、若かりし日にいろいろやらかしていますが、
そのお話は、また後日。



<追記:7月13日>
コレを書いた日、早速お母さんは彼女を訪問してました。
結果、お母さん、大変彼女のことを気に入り、弟の結婚が決定。
お母さんその場で彼女の指のサイズを測り、婚約成立。
とても性格のいい、かわいい女性なんだとか。
結婚(式)はもう少し涼しくなってからになりそうですが、
それまで弟は、彼女に会うことも話すこともありません。
結婚式がほぼ初対面、初会話。
弟は、鼻の下が伸びっぱなしです。
よかったね、おめでとう!

2007.7.21



こうして描いている間にも
ドガン、ドガンと2度ほど音が。


酔っ払いが「開けろ〜!」と扉をドガドガっと叩くような
そんなドラマじゃあるまいし、しかもここじゃ限りなくありないシチュエーションなのに、
(イスラム国のここで日中の酔っ払いはほとんどいないし、まんがいつ
いたとしても、砂漠にある家に来るまでに酔いは覚めるでしょうから)
わかっているけど、音がとにかく大きいので
そんなイメージでいちいちびくっとしちゃいます。

豪快にぶつかった後、そのまま飛んでいく鳥もいますが、
中には脳震盪を起こして、ぼ〜っとしばらく放心状態になるのもいます。
昨日なんぞははひっくりかえって羽を上げ、プルプルするので、こりゃだめか・・と
思いながら近づいていくと、くるっと飛び起きて慌ててフラフラ
飛んでいきました。


こちらUAE、家、ビルなどの建物のほとんどが、我が家同様、
反射窓を使っています。
あそこを見ても、ここを見ても、反射窓。

反射窓がこれだけ多く使われている理由は「2+1つ」ではないかと思います。
まずは容易に浮かぶ理由が、この「日差し」。
数日何かを外に出しておいたら、確実に色落ちする強烈な紫外線。
これが透明な窓だったら、もろに屋内に日が差込み、
絨毯も、カーテンも、どんどん色褪せるに違いありません。
当然遮光率があがれば、室内温度の上昇も、透明な窓よりは抑えられます。

次に、「殊に女性が家の中を歩いている姿を、外から見られることがない」という理由。
ご存知イスラム国UAE。肌の露出を極力なくした服を着て、
人によっては顔さえ隠して外を歩き、自分の家にいる時だって、
男性のお客さんが来れば、目の届かないところにさささっとひっこんでしまうのに、
普段家の中が丸見えではいけません。
反射窓であれば、カーテンを引かなくてすむので、昼間家の中が暗くなることもなく、
外からの目も気にしなくて済むので、女性も家の中で自由に大胆に(といっても、
「日本で言う大胆」を基準にしてはダメですが)いられるというわけ。
なかなかにお国柄に則した優れものです。
思いっきり蛇足ですが、私なんぞはその「大胆」は思いっきり日本で言う「大胆」レベル
(どの程度なのかはご想像におまかせ)、住み始め、夜は電気をつけると中が丸見えだってこと
すっかり忘れて慌てたものでした。でもこんな所にアポ無しで訪ねてくる人は皆無に等しく、
カーテンつけずに早3年。

で、最後の理由「+1」ですが、
反射窓は緑だったり、青だったり、金色だったり、ピンクだったり、
割と豊富な色そろえ。

都会ドバイの一画。

これが特に日が当たると、キラッキラ光ります。
その為、家も、ビルも、みんななんだかとても豪華に見えちゃいます。
夜も街中ではネオンを反射してこれがなかなかゴージャスさを演出。
この「ゴージャス感」、これがアラブ人の心を大いにくすぐったのではないかと思うのです。
この反射窓の「見た目」は、初めは上2つの実質的理由の為に反射窓を選んだものの、
そしたら、たまたま付随してきた、おまけのようなもんではないかと思いますが、
でも実はこの「+1」の理由こそ、ここまでこの反射窓をこの周辺国で普及させた
けっこう大事な要因なんじゃないかと。
キラキラ・ゴージャス、アラブの人たち大好きです。
私の勝手な、でもけっこう確信を持っている推測。
この窓をアラブに持ち込んだ商人の先見の目、すごいね!

一般的なこちらのお家。

ちなみに見た目は豪華ではありますが、
日本の家屋のように、安全重視、快適さ重視、二重サッシとか
網目の入った硝子散乱防止窓とか、そういうことにお金を費やすという
観念はあまりありません。そんなところに使えるお金があるなら、
ここにこだわろうよ!って、生活の知恵満載の国日本で育った私は思うことも多々
ありますが、まー、安全に限って言うならば
地震は(とりあえず)ないに等しいし、
台風も(とりあえず)ないに等しいし、
必要性に駆られないということもありますが。



さて、鳥の話に戻りますが、只今午前中から40度を越える暑さ。
その暑さをしのごうと、快適な場所を求めるのは、人間だけではありません。
夏になると暑さのあまりか、ぽかーんと口をあけている鳥が多くなります。

その気持ち本当によくわかります。朝から40度超え、
昼間は毎日50度近くって、口も開けっ放しになるってもんです。

まだ日の高い正午近くは、できる建物や木の影はとても小さいのですが、
そのせま〜い影の下の、水を撒き終わった濡れた芝生の上には
「いつかこれが家をのっとるに違いない」と相方さまが言うのも無理もないほど、
ヒッチコックばり大量のすずめたちがひしめき合います。

先日窓に張り付いてその大量のすずめの様子をみていたところ、芝生がまだ生えきっていない、
砂地が出ている狭いところで穴を掘って体を入れ、濡れて冷たくなった砂に体を冷やしながら
すずめが並んでうとうと昼寝をしているのを発見。
砂風呂逆バージョン(?)。

なるほどね〜ここで生きていく上で身に付けた知恵ねと、
ちょっと感心。


気づけば我が家のわんこも、
おんなじような知恵を身に付けてました。

今では掘って、掘って、掘った穴が深くなり、
時に「どこへ行ったんだ?」と探してしまうほど
すっぽり埋まって寝ています。

これらすずめたちの写真は別館へと続く。

2007.7.26



見るに見かねた店員さんが
「こっちなんてどう?」と
水を入れると、はーと模様の色が変わる
かわいこちゃんグラスを薦めてくれました。



ちょっと気の利いたステキな使いやすい食器を・・と思っても、
もともと食器にさしたこだわりのない国民性(?)ということなのか、
食器を取り扱っているお店は、とても少ない。
外国文化満載の都会に行けばまた別ですが、
でも都会に行ったところで、「これ」という食器にめぐり合うことも
これまたなかなかありません。

また、どうしてないのかな〜と常に疑問に思うのですが、
日本にいた頃、サラダを乗せるにも、冷えた素麺を乗せるにも、ちょっとした
果物の盛り合わせを乗せるにも、蒸し暑い夏は殊に、
涼しさ演出するステキな硝子食器が欲しくなりましたが、
こちらこんなに暑い国なのに、硝子の食器を探すのがとても大変。
まー、冷たく冷えた食べ物を食べると言う習慣がもともとないので、
硝子食器というものが食卓にしっくりこないのかもしれません。

逆に、日本ではあまりメジャーじゃないけれど、こちらではよく見るのが、
プラスチックの食器。あまり広くない食器売り場の多くの面積を
占めていることも多く、割と種類も豊富で色柄も多彩。
キャンプに行ったり、外でバーベキューをやったり、
小さい子供達が沢山来たり・・というシチュエーションには、軽いし、壊れないし、
大変お役立ち、大活躍のお皿。
時には「お、なかなかステキな模様だな」と思うものに出会うこともあるのですが、
こんなんで瀬戸物だったらいいのになぁと、大概スルー。
そんなこんなで、なにかびびっとくる食器がないものかと、
ことあるごとにふらふら歩いてみるのですが、
ごてごて模様がちっとな〜とか、
パッと見はいいけれど、持ってみると重たいなぁとか、
この厚みがなぁとか、
取っ手に指をいれるとあたって痛いんだよなぁとか、
なかなか相思相愛(?)の食器にはめぐり合えません。
ちなみにお値段が張るのも、私は物をよく壊すため、
普段気兼ねなく使えないので選外(大事に使えばいいって話ですが)。
つまり、かなり限定された好み。そりゃなかなかめぐり会えっこないワサと
言われそうです。

蛇足ですが、これだけ自宅の食器にこだわるくせに、例えばホテルやレストラン、
例えばどこかにおよばれしたとき、食事をとってもぜんぜん食器に目がいかない。
いったいこの極端さはなんなのか。


話は戻りますが、そういうわけで
とりあえず生活に困らない程度の食器は、重さが、厚みが・・なんぞ
言っていられないので買い求め、
後は慌てず日本に帰った時などに、ちょこちょこ集めて持って帰って来ます。

でも、時に「おおおお!絶対我が家に連れて帰ってあげるからねっ」と
見た目も使い心地もお値段も、一目ぼれする食器に出会うことがあります。
それが偶然なのか必然なのか、例外なく「メードインジャパン」。
まだ日本ブランドは多くのところで信頼性が高いので、
それにあやかろう(?)と、メードインジャパンと書かれた
「メードインドコゾヤン」の物もありますが、
これら一目ぼれした食器たち、色も模様も仕様も明らかに日本向けでは
ありません。でも、「ここがこうだから」と言った説明は難しいのですが、
私の、日本で生まれ育ったDNAが「これは間違いなく日本製だよ」と
語りかける≪でき≫なのです。
私自身は、物探しの際、ちっとも日本製にこだわっていないのですけれど。
血、おそるべし。


さて本日の四コマですが、今までこれだ!と気に入った硝子のコップに
出会うことがなかったので、我が家にはまともに硝子のコップというものが
存在しませんでした。この日時間つぶしに入ったお店。
いつくか硝子のコップがあったので、何気なく目の高さにあった、
何ということのない物をひとつつかみました。
「うおっ」。軽い!薄い!手にフィットする!さらにシンプル!
へ〜、なんだこんなところにあったんじゃん。となんとなく
いつもは見ない裏を見たら「メードインジャパン」。
「またかいっ」とちょっとびっくりして、隣にあったコップを持ってみたけど
しっくりこない。重たいし。で、ひっくり返してみたら「メードイン台湾」。
こうなったらおもしろくって、一人でご当地当て。
これはちょっとフィット感がないなぁ・・「メードインチャイナ」。
おおっ、これはなかなかいい持ち具合・・「メードインジャパン」。

で、そんなことをやったあと、約1時間弱同じところに立ちすくみ、
最初のコップと、最後のコップ、二つのめーどいんじゃぱーんを手にしたまま
微妙な手の当たり具合と微妙な硝子に入った模様具合とどっちをとるか
迷いに迷い、ちょっとシンプルすぎるけど手の当たり具合が
とてもよかったはじめのコップに決めました。

ってものすごい一大決心ごとのように書いていますが、
ダイソーさんで、コップ1個約160円のそんなお話。
でもこれでさっそくいただいた冷たい牛乳、おいしかったです。

ちなみに相方さまの反応ですが、買ってから1週間ほどすぎたというのに、
今だ使うたび、私にじーっと見つめられ、
「うん、いいよね、この手にフィットする感じがサ!シンプルだし、いいよいいよ」と
慌てて160円のコップを褒めちぎります。



こちらのお皿事情ですが、
日本のように小鉢に分けてご飯やおかずが食卓に置かれるのではなく、
テーブルで食べる習慣がそれほど広がっていないこの辺りでは、
食事は、どかんと大皿にもられ、床に置かれたその大皿をみんなで囲んで
食事します。といっても、銘々に小皿があってそれに大皿から
取りわけるわけではなく、大皿から直接いただきます。手で。

ということで、人を招いたときや、何かの祭事などちょっとしたときは
おかずの種類に合わせてお皿の数は増えますが、
大概日常の一般的な食事には、ご飯におかずのお肉やお魚が乗った
大きなお皿が一枚(大概ステンレス製)、それにサラダなんかの付け合せの為に
もう一枚。それで十分事足ります。洗い物はひじょーに楽ちん(お皿は
シンクをはみ出る大きさですが)。

アラブな料理を作ると、そういう盛り付けで手でいただくほうが、
じゃぱんな料理を作ると、小鉢と茶碗で箸を使っていただくほうが、
おいしく感じるので、不思議なもんです。