絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。


2005.11.13

スタジオジブリ・藤子プロ
アラブにて夢の共演


朝晩の冷える衣替えを必要とする季節になりまして
というわけで、今回のお題は「服」。中でも男性の服についてで
ございます。

相方さまの着ている服はここでは「カンドゥーラ」と呼びます。
このカンドゥーラ、実はけっこうバラエティーにとんでいます。

まず色。真っ白、うっすらベージュ、うっすらブルー、
またかなり濃いベージュもあれば、
時には日本サッカーの応援にはもってこいの濃い青だったり
真っ黒のカンドゥーラも存在します。
ただ、お国によって、好まれる色にも傾向があり
ここUAEの人には基本的に真っ白、もしくはとても白に近いベージュが
夏冬通して着られています。

デザインも、なんとなく浮かぶは上からがさっと被る
ただ筒のようになったQちゃん服でありますが、よくみると、
胸の部分は少し開いてボタンがついていて、縫いもボタンも多種多様。
また襟のあるものもあれば、ないものもあります。
これも色同様、国によって好まれる形があるそうで、
襟付はクウェイトで特に好まれて着られているとかで、
俗に「クウェイト」仕様とこの辺りでは呼んだりします。

使われる布もいろいろで、夏用の薄めの軽いものから
冬用の厚めのやや重ためのもの、また種類もピンからキリまで。
となれば、値段も当然ピンピンからキリキリまであるそうです。
でもものすごーくカンドゥーラの布にこだわりがあって、
目も肥えている興味のある人が見るならともかく、
日常生活の中で、「おお〜、いいカンドゥーラを召しておりますな〜」と
感じることはなく、みんなQちゃん。大統領、お偉いさん、
一般市民、ぱっと見みんなバケラッタ(あ、これはオーちゃんか)、
着ているカンドゥーラから人を判断するという「感覚」は
まず存在しないんだそうです。

ちと蛇足。お祈り時間になると街のあちこちに建てられている
モスク(イスラム寺院)に人が集まってきます。
モスクはイスラム教の人であれば、地位が高いとかお金を持っているとか
失業中とか文無しなど関係なく、誰でもどこのモスクでもお祈りできるのが基本。
買い物やドライブ中にお祈り時間になれば、近くのモスクに立ち寄ります。
「隣でお祈りしている人が高官だとかお金持ちだとか関係ないわけ。
イスラムではみんな平等。
みんなカンドゥーラで同じ格好だと、尚更そういう感が強まっていいもんだよ」
と、相方さま。

ちなみにわが妹は、
飛行機のビジネスクラスを利用するに、小汚い幼い格好をしていたところ、
チェックインカウンターでもゲートでも尽く
「あなたはここではないでしょう」扱いを受けたことがありまして、
見た目で判断した飛行機会社に明らかに非があるわけですが、
これが社会の現実のような・・。

ま、ですからここでは服などに惑わされない分、その人のもつオーラや
風格、人格、人間性などがとても見えやすいのではないかと思います。
はっ、そうか、妹よ、オーラがでていなかったのだよ、
「ビジネスクラスオーラ」がさ。

さてこのカンドゥーラのお洗濯ですが、相方さまはもっぱら
白いカンドゥーラ使用。汚れが目立つ。ひじょーに目立つ。
ただ繊細な扱いを必要としないので、洗濯はわりと楽ちんです。
どれも白いので色物区別必要もなく、洗濯機にがつがつ
カンドゥーラを突っ込みます。漂白剤もどこどこ使えます。
熱いお湯で縮むこともありません。
縫いもあまり複雑でないものはアイロンがこれまたし易い。
少し布を寄せて縫っているようなものはアイロンにやや手間どるのですが、
我がオット相方さまは、奥さん不在時自分でアイロンがけをしてからは、
シンプルでペロンとしたデザインを選ぶようになりました。
身を以って知るってやつだね。(アイロン事情はまた後日)。

白地というのは、一度落ちにくい汚れがつくとごまかせないのが
困るところ。
でもって、相方さまはどーいうわけか、どこでどうしたのかわからない
これまた落ちにくい汚れをしょっちゅうつけてくるのが困ったところ。
畑仕事や、牧場仕事、バイクや車の整備など汚れやすい仕事でも
当然白いカンドゥーラ着用なので、
汚れが落ちなくなったカンドゥーラをこれらの仕事をする時専用にし、
「イズバ用」と呼んでいます。
イズバとはアラビア語で、訳せば牧場になるでしょうか。

仕事から帰ってくる相方さまを見るや否や、サーメルとの
ただいまの抱擁もそこそこ、「はいイズバ用に着替えてー」と
お尻をたたきます。
なんですが、ふつーにオフィス仕事をして帰ってきても
謎の汚れを謎の場所につけてきます(カマイタチ?)。
年に2回あるイードという祭事には必ず服を新調するのが
慣わしなのですが、新調してもしんちょうしてもシンチョーシテモ、
イズバ用カンドゥーラのみがこつこつ増えていくこの現象、
どーしたものか頭が痛い。

今朝など、夜明け前の早朝焚き火でまったりしていたら相方さま、
炭で汚れた自分を見ながら
「あ、暗くてわからなかったけど、これイズバ用カンドゥーラじゃなかったよ」
って、・・・ウキーッ!!
10日間の休み明けの今日、お仕事には真っ白なカンドゥーラで
出勤した我が家のQちゃん、
本日のカンドゥーラの運命はさてこれいかに。

2005.11.20

相方さまの携帯電話は
今や探すのが難しいほどに旧式。
貴金属屋さんにでかけたある日のこと。
確かに、あまり精密化しすぎない機器は
丈夫で自分で修理しやすいと、
ここで経験を積んでおります。


以前、それは2年半も前ですが、
「携帯事情はまた後日」などと書いてすっかりそのまま時が経ちました。
(このHP、途切れ途切れで正味1年分もないくらいだけど、よくここまで
続いたなぁ・・)その携帯事情、UAEの急激な発展と比例してすごい勢いで
進んでいます(といっても、携帯電話そのものは国内での開発・生産ではなく輸入物)。

妹家族が12月にこちらに遊びに来るとの事で、
遥か昔に友達が買ってくれたUAEの観光ブックを開いて
観光事情を勉強していると、そこには「電話はかなり普及しており・・」との
説明に、いったいいつの話やねーんっと
本をしみじみみてみれば1997年物でございました。
まぁ、あちこちに公衆電話があるわけではないので、
その点観光での利用はこの時代でもちょっと不便かもしれませんが。

今では猫も杓子も・・ほどに携帯電話は生活必需品となっています。
日本同様、写真や動画も撮れてネットもできる携帯電話が主流です。
相方さまの年代物携帯を見て4歳の姪っ子、
「写真を撮りたいの。どこを押せばいいの?」
「これは写真は撮れないの」と言っても理解もできなきゃ、納得もせず。
4歳の彼女の中では「携帯電話は写真が撮れるもの」が常識のようで。
日本と違って携帯電話製作の会社と電話会社とのつながりはないので、
「0円携帯」というものは存在せず、どれも結構お値段が張ります。

実はこれと同じ年代物携帯を、私もごく先日まで使っておりました。
写真やネットはできませんが、機能が少ない分ぎゅっととっても
小さくて、丈夫でけっこうお気に入りだったのでありますが
砂も許容範囲を超えたのか・・、ついにだだをこね始め、
時に電話としての機能を放棄したりするもんですから、
新しいものに代えらざるおえない日が来てしまい。
お店で「カメラがついてなくていいんですけど・・」と言うと
ちょっと驚かれましたが、そういうものはどんどん少なくなっているそうで、
選択肢がなかったため、私にとっては初のカメラつき携帯をゲット。
思いのほか重宝しております。
でもやっぱり砂漠に出るときは、繊細な携帯はお家でお留守番。
多少駄々をこねられても、古代携帯を持ってでかけます。

ちなみに、なぜか新しい携帯電話入手意欲の低いわが家族。
妹の夫はアンテナも壊れ、今の時代それは見ないだろ〜という
分厚い携帯をかなり最近まで使っていましたが、ついに交換。
でもお店で「古すぎてデーターの移動ができません」と言われたそうで。
それを聞いたわが父は、「もしや自分の携帯もそうだったらちょっと困る・・」と
いまだ健在ではありましたがこれまた今では見ることのできないような
携帯使用でしたので、慌ててこれもつい最近ですが交換へ。
妹は、折りたためるものの明らかに時代の遅れを感じる白黒画面、
さらに液晶の明かりがつかなくなり、夜は電気の下でないと
画面が読めないというこのご時世にあるまじき携帯に成り下がってから
随分経っていましたが、これを機会にと父と一緒にやっと交換。

相方さまは、砂が入っても壊れないこの愛用携帯常用ですが
仕事上ネットが必要ということで、ステップなしのホップ・ジャンプで
とても進化した携帯を私よりも少し前に入手(あんまり活躍している姿は
見ませんが・・)。
ということで、ここ数ヶ月で怒涛の携帯電話事情発展を遂げた
わが家族でございました。

ところで突然ですが「ナンパ」、イスラムの国ではなんとなく
存在皆無に思えますが、けっこうお盛んですのよ。
といっても、あからさまに街を歩いている女の子に近づいて
「ちょっとお茶しない〜」(古っ)、と声をかけるなんてことはまずありえません。
すれ違いざまにとか、もしくは道を歩いている女の子を見つけると
車の中から携帯の番号を書いた紙を渡したりするんだそうで。
デパート内の上りと下りのエスカレーターですれ違う瞬間、
さらっと電話番号の紙を渡す男の子を見て「おお、手馴れたもんだ」とちとびっくり。
(というか、そういうものを準備して忍ばせているところは涙ぐましい・・)
時代が変わってきたといっても、男女が街中ででーと・・というわけには
いかないこの国では「電話でデート」が結構主流。
そこで気が合えば、こそ〜っと会ったりすることはあるそうですが。
相方さま青春時代は携帯電話のまだない時代、
親の目を盗んで家の電話でおデートしたそうです。
「今は携帯電話があるからさ、自分のときみたいなスリルとかロマンがないよな。」
最近、ぼやきがすっかりおっさんです。
(相方さま若き日のロマン話はまた後日)