2004.6.9
前回に続き、旅行記です。
写真がやたら多いので、開くのに時間がかかるかも。すみませんです。
とても細かい描写だったもんで。
描いた人のこだわりを感じた「牛横断注意」標識でした。
オマーンではおもしろい標識をよくみつけます。そのお話はまた後日。
さて、3話目にして旅日記最終編。
一気に終わらせようという魂胆が丸見えの長い文章です。
サラーラ旅行と書きましたが、実は「サラーラ」という場所はホテルのある海辺の辺り。
このサラーラを拠点に、地図上約100キロ圏内でだいたいのところは廻れてしまいます。
(日本じゃすごい距離ですが、信号はほとんどなく、渋滞もまったくないここでは余裕の行動範囲内。)
札幌の時計台やシンガポールのマーライオンのような、すばらしい観光スポットがあるわけではなく、
ひたすら山廻り。でもこれが飽きない。
山廻りして何に驚いたって、牛の数に驚き。UAEでも牛を見ることはありますが、
そこらをうろうろしていることはめったにありません。
なので、行くところ行くところに牛がわさわさいる風景はなんだか圧巻。
らくだも負けずと数多くいるのですが、牛の数は2倍か、3倍か・・。
牛も、らくだも、とにかく自由きまま。UAEでもぶらぶらとしているらくださん集団によく出会いますが、
数も行動範囲もそんなもんではありませんでした。いったい君達はどこから来たの?と
思うようなところで、岩や石ころの間から出てき始めた草を食べています。
でも、UAEもそうなんですが、自由きままで、いったいどこから来たのか知れないようなところにいる
牛も、らくだもみんな飼い主がいるところがすごい。よく見ると、耳に番号がくっついていたり、
子らくだにあげるおっぱいの制限をするための紐(このお話はまた後日)がくっついていたり。
野生と思われるものはほとんどいないに等しいのです。つまり、ものすごい規模の放牧。
そしてちゃんとみんな家に帰っていく。
らくだもそうですが、牛もちゃんとリーダがいるんですね〜。
一番前をあるいていた白黒牛さんのずーっと後ろのほうに、のんびりだらだら歩いていた
牛さん集団がいたのですが、私たちの車がその集団に近づくのを見たリーダ牛さん、
「ややっ怪しいっ」と思ったのか、くるっと後ろをむくと
「もーぉ(はやく歩けっての、)」と一喝。
と、うしろをだらだらばらばら歩いていた牛さん集団が、もそもそっと固まったかと思うと、
ずいずいと前に向かってペースアップ。いやいや感心してしまいました。
なぜそれぞれの家が家畜用の囲いを持たないのか。
金銭的にあまり裕福でない家が多いため、
らくだやうしの牧場のような場所を確保するのが難しいのではないか、
というのが相方さまの見解。それを裏付けるがごとく、こんなところを発見。
(廃校になったと思われる学校の校庭を利用してらくだが囲われている)
相方さまと車を止めてしばし見学。
「はーい、まもなく授業がはじまりますよ〜(声:はなもも)」
「やだなぁ、午後はさぼっちゃおうかなー(声:相方さま)」
「そんなこと言うと今夜のお夕飯にしちゃいますよー、うふふー(声:はなもも)」
などと、周りに誰ーもいないところでらくだ学校参観を堪能。
山には、石やブロックを積み重ねたような家に住んでいる人がまだ沢山います。
家の周りにある、ありあまる石を積んで外壁を作った家が沢山ありました(お見事っ)。
また時には、周りにある木を組んで作った塀(?)も発見(これも見事なお仕事)。
こんな(石や木を利用した)ものをAl-Ainで作ろうと思ったら、材料費だけでものすごぉくお金がかかります
(砂ならいっぱいあるけれど)。ところ変われば。
ぽつーん、ぽつーんと山の中に家があるのですが、どうやら働き手はみんな町に出ていたのか、
どの家も行ったりきたりするらくだや牛がいるだけ。人間はときどーき子供の姿をみるくらい。
なんだか不思議の国にスリップして、大人(人間)は私たちだけしかいないんじゃないかと
錯覚してしまいそうなところでした。
上の写真のどれをみても、石でごつごつした土地なのですが、これがあと1ヶ月もすると緑で覆われて、
8月にはほんとうに見事な草木で茂った山になるのだそうです。
そうはいっても、やはり昔よりずっと雨量は少ないのだと思います。
(大昔は大川がながれていたのだろうと思わせる渓谷。)
時にワディ(枯れ川)の中に家があるのを見て
「あぁもう何年もこの川に水が流れていないのね」と思いましたが、でも万が一、青天の霹靂で
大雨が降ったら、あの家は一瞬にして川底だなぁ〜と、会ったこともないその家主を、相方さまと
心配してみたりして。
3日目の山周りは、ちょっと遠出をしてみようと西に向かってみたのですが、
そこは、いったいここをどうやって切り開いて道を造ったんだ、人間てすごいわ〜、と思うような岩山。
「ねぇ、これってどれくらいかかったんだろうね。ブルトーザーも何台壊れたんだろう〜」
「・・・たぶんダイナマイトで切り崩したと思うよ。」
世間知らずですみません。そりゃそーですよね。でも、あのエジプトのピラミッドだって、
重機なしで(というか、重機があったって)どうやって作ったのー??って間近でみたらびっくり
しちゃっいました。この岩山だって・・。
「ピラミッドは5000年も前の話でしょ」
まぁそうなんだけどさ。
で、ずんずん進んでいくうちに、「おおお〜雲より高いところに来たね〜」なんて感動しながら
ふと岩山を見上げたら、なんとその岩山のすこしくぼんだところに布が張られてあり、
人間が住んでいる気配をかんじさせるところを発見。
(ものすごい高いところだったので、こんな写真。)
「砂漠に住むなんて暑くてたいへーん、ネットが不自由でたいへーん」とかなんとか言っていた自分を反省。
人間なせばなる。
なんて感心しながらふと前方をみると、お隣の国イエメンとの国境を発見、あわてて引き返しました。
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さぁ、さぁ、まだ続きますよー。
こう長いと、書く方より読むほうが大変ですよね。
そうそう先日家の木で、初ゼミが鳴きました。本夏到来デスワ。
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閑話休題。
こうして山をひたすらぐるぐる廻ったのですが、せっかくアラブの国にいるのですから、
アラビア海も味わっておかないと。。と海側も廻ってきました。
中でも印象に残ったのは、9世紀の町並みが残っている(実はこの事実を後から知った)小さい町。
これまた誰〜の姿も見ることなく、どこかの御伽噺の世界に入り込んだような風景でした。
もうさすがに廃屋かなぁと思うような情緒ある(?)家にも人の住んでいる気配があり、
このステキな町にすっかりとりこになった私たち。
とりこにはなったのですが、でも、でも、
今回、この「<ツアー名>実は飛行機で行くのさ、ちょっと時期はずれのサラーラ旅行(だから安かった)」で、
もっとも衝撃的で、感動しちゃった風景(相方さまと意見一致)は、これっ。
<オマーンのオッシー?サラーラのサッシー?>

<実はらくだのラッシー(ヨーグルトじゃないよ)>
相方さまも、自然界でらくだが水につかっているのを目にしたのは初めてだそうです。
水につかりながら、水の表面ちかくまで生えてきている草をたべて涼んでいるらくださんたちでした。
「ムシャーケルを連れてきてあげたいね〜」としばし美しい風景に2人でうっとり。
まぁこうして、初めての場所を堪能したようで、実は大方が、らくだやうしを見て
楽しんでいたという、気づけばこれまた普段の生活とあまり変わりない時間をすごした私たちでしたが、
4日間同じような山間で時間をすごしたにもかかわらず、飽きることのない旅でした。
よく考えたら、3回に分けて全て書けちゃうようなさしてこれといった見るものがない場所なのですが、
でもなんどでも行きたくなっちゃう不思議なところ、サラーラです。
(番外編へ多分続く)
<おまけ>
悠々と、海岸に沿ってどこかへ向かうらくださんたち(ちゃんと歩道を歩きます)。

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