絵とか、文字とか、写真とか・・。その日の内容と気力に合わせて変化します。


2005.12.6


ちょっとした手術を受けた時のはなし。





病院事情にはとても興味があったので、またとない機会だと
ややわくわくして手術室に入ったものの、
手術室で覚えているのは上の3コマ目に描いたことのみ。
残念きわまりなく。蚊めっ。

ぜんぜん緊張しなかったのか。。というと、
自分が眠っている間に「事」が進んでしまう手術に対する
健全な緊張に加え、この国の病院事情を考えると
やはり「何事もありませんように〜」とドキドキもやや通常レベルを 上回るわけですが、
一連の流れや医師をはじめとしたスタッフの様子、病院全体の様子から
まぁ過剰に心配する必要はないな、と安心して手術を受けることができました。

さて、そのUAEの病院事情なんですが、
病院による質の違いは、日本のそれの何倍か。
「UAE人」というのが4分の1ほどで、他皆外国人というこの国の特徴柄、
病院も「国営」と「私営:外国人経営」と分かれていて、
スタッフは医師を含めてほとんどが外国人です。
国営病院は質があま〜りよろしくない所が多い。
6年ほど前になりますが、相方さまの弟が虫垂炎、俗に言う盲腸になりました。
具合が悪く、腹部の痛みがひどくなって国営の病院に行ったそうですが、
そこで診断されたのは「心臓に問題あり」・・。でもって、
なんだったのかはわかりませんが、注射をされて家に戻ったそうです。
ある程度医療に通じている人が(というか通じていない人でも)
聞いたら卒倒しそうなほどに誤診です。
当然治るわけがなく、というか命を落とさなくってよかったねと
思うわけですが、ひどくなるばかり。
で、私営の病院にかかりすぐ虫垂炎とわかり緊急手術となりました。

じゃぁ私営の病院にみんなかかればいいのだと思うのですが、
「保険制度」がないこの国では
いくらか払ってヘルスカードというのを作っておくと
ほとんどお金がかからず病院にかかれるという保険に似たものがあるものの、
これは国営のみ対象。なので大金がかかる私営の病院よりも
多少リスクがあっても(?)国営の病院を選ぶ人が けっこう多いのです。

もうひとつこの国の特徴は、国外で検査・手術をする人が多いということ。
タイ・ドイツ・イギリス・・等々。
つまり、内容によっては飛行機代・宿泊代などを考えても
外国の病院にかかったほうが安心で値段も安いと
考えている人が多いのです。
「今友達がイギリスに診察受けにいっている」とか
「今同僚がタイで手術を受けている」とか特別なことではありません。
先日も、相方さまのお父さん、お母さん、弟、妹は検査を受けに
タイに3日滞在で行ってきました。

といっても、まったくどこも信用できないかというと
そんなことはなく、質のいい病院もあるのです。
こちらでお産をしたお友達もいます。
ですので、どこの病院が信用できるのかよく情報を集めておくことが
とても大事になるというわけです。

今回かかった病院の様子を少し。
診察は日本でいう「診察室」という場所ではなく、医師のオフィスで
木目調の家具がそろった少し暗めの落ち着いた部屋で受けました。
客間用の椅子に私たち二人はすわり机を挟んでしばし話、
診察となりました。診察はどこか他の部屋にいくのかと思っていたら
木のついたてで区切られた向こう側に案内されました。
そこには診察台や診察器具が。超音波検査もしたのですが、
その画像は、天井から吊るされたテレビ画面でついたての向こう側に
座っている相方さまにもよくみえるようになっていて、
医師が細かく説明しながら診察は進みました。

レバノン人のお医者さんをはじめ、
日本語をちょっと知っているという明るいフィリピン人の看護助手さんや
穏やかで、でも頼りがいのあるエジプト人の看護婦さん、
手術が終わった私の様子を見に来て「どう?」と声を掛けてくれた
シリア人の受付さん等々のお陰で、無駄な心配や緊張をせずにすみました。

というわけで常にリラックスムード。最近入手したばかりのカメラ付携帯で
暇さえあれば、医師のオフィスやら病室やらを撮りまくっておりました。
緊張感なさすぎと、小言がどこからか聞こえてきそうですが。
直前まで楽観的に振舞っていた相方さまですが、
実はけっこう緊張していたんだそうで。
手術が終わって部屋に帰って来た爆睡の私をみた砂漠の
王子様(相方さまのことです。すみません)、ほっとして周りの目も
気にせずに、眠り姫(私のことです。すみません。すみません。)の額に
チュっとしたそうですが、この眠り姫そんなもんじゃ目も覚めず、
看護婦(日本では看護師か)さんが私の名前をよぶと、
目を開け怪しくニヤっと笑い、そのまま蚊に邪魔された睡眠時間を
取り戻すがごとく、こんこんと眠り続けたんだそうです。
あまりに眠りすぎて、この日の夜は夜中2時半からギンギンに
目が覚めてしまい、すっかり時差ぼけとなりました。